カレワラ(32) カレワラ<第四の歌>の8
カレワラ<第四の歌>の8
けれど流れが地に着いたとき
三つの広い川になった
罪の川だ、純粋の
涙でできた水の流れ
目尻から溢れ出てきた
後悔いっぱいの母からの
そしてこれらの三つの流れが
とめどない三つの滝に
そしてそれら各々に
三つの小島が隆起してきた
小島の各々
金の丘でき
そしてその丘の上
金の三本白樺生えた
そしてその枝一番上に
三羽の金のカッコウが座った
普通のカッコウより良く鳴くカッコウ
一番目は「愛!愛!」と鳴いた
「花婿!花婿!」と二番目鳴いた
「幸福!幸福!」と三番目が鳴いた
「愛!愛!」と鳴いた鳥は
三ヵ月鳴き続けた
愛のなかった娘のために
海に冷たく寝ている娘に
「花婿!花婿!」と鳴いた鳥は
途切れもせずに半年鳴いた
取り残された花婿のため
深い悲しみ持って座った
「幸福!幸福!」と鳴いた鳥は
一生ずっと鳴き続けた
不幸になった母のために
永久に泣き続ける彼女のために
それを聞いた母は言った
カッコウの鳴き声に応えて
「かわいそうな私はもはや
カッコウなんぞに耳を貸すまい
カッコウ鳴くたび
心が揺れる
私の目には涙が溢れ
私の頬の上を伝い
筋なすじゅず球
豆滑るよう
私の人生一腕分も短くなってしまったのだ
体は真っ二つに年取り割れて
体中が傷に苦しむ
春のカッコウ鳴くのを聞くとき!」
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