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2014年3月

2014年3月24日 (月)

いろいろ(488)「ブラックボックス」

篠田節子「ブラックボックス」を読んだ。食の安全(危険)がテーマの小説。週刊誌に連載していたものだそうでかなり重複というかしつこく同じ記述が続いてうんざりするんだけど、内容は極めてマジメ。

東京で華やかなビジネスライフを送っていた英美(エイミ)は社長のスキャンダルに連動されて、世間から責められ、尾花うちからして田舎に戻り、食品工場の夜間シフトで働く。そこは無菌を誇る野菜工場だった。冷蔵庫のような工場で劣悪な条件で働くのは、研修生と呼ばれる外国人労働者。彼女たちは三食、工場の野菜を食べ体調を崩す。英美自身も不調が続き、調べていくと「無菌」のはずの野菜には生産工程で不気味な危険物に晒されていたのだった。。

最近の野菜、味がしないもんね。長く持つし。植物を育てるって楽しいだろうなと思うけれど(食べられるものだったら特に)、手間がねぇ。。

スウェーデンでは高級レストランで「春野菜」が供される。大皿の上にノビルの根とか細っこい人参がちまちま仰々しく置かれていて、簡単なソースで食す。実にあっけないんだけど確かに「春の味」で美味。北欧の人は「春」に対して特別の神々しさのような感謝を抱くのだろうな、と思う。

本日はかなりオフィシャルな会食予定。春野菜が出てくるかな~。

2014年3月22日 (土)

いろいろ(487)「暗殺者の森」

逢坂剛「暗殺者の森」を読んだ。これが「イベリア・シリーズ」の最後の本かと思ったらもう一つあるのね。。さっそく買わねば。単行本しかないみたいだけど仕方ない。

で、第二次世界大戦の最終の時期の欧州。ヒットラー暗殺事件なんかも克明に描かれていて。歴史を題材にしたものっていうのは、映画「針の目」なんかもそうだったんだけど、結果がわかっちゃっているので、ドキドキしながら過程を追っていても「ああ、これは失敗するんだ、、」と残念な気持ちをずっと抱くことになるのね。

で、日本人なんだけどペルー国籍&スペイン国籍の北都とイギリスのスパイ、バージニアのロミオとジュリエットのような恋も続いていて。

スパイ小説ってあまり好きではないんだけど、まあ、ちゃんと書かれているから許す。でもやっぱり面白さの点からは「カディスの赤い星」なんかの初期のものの方が上だと思う。

大きな仕事が一つ終わったので少し余裕をもって原稿書きに取り組もうかと思いつつ、金曜なんだから、と別の本に手を出していたりする。

2014年3月21日 (金)

いろいろ(486)「珈琲屋の人々」

池永陽「珈琲屋の人々」を読んだ。地揚屋が商店街をつぶしにかかり、小胆外の店の高校生の娘をが強姦して脅した(彼女はそれで自殺してしまう)地上げ屋に憤った喫茶店「珈琲屋」の息子(柔道で全日本にも出場経験あり)は店でコーヒーを淹れている父親を脅した地上げ屋を店の柱に打ち付けて殺し、7年間のム所生活を終え、商店街に戻って珈琲屋を継ぐ。彼の妻となるべく(多分)浮気して離婚されて出戻ってきた蕎麦屋の娘芙由子、クリーニング屋の女房、和菓子屋の娘etcが珈琲屋にそれぞれのエピソードを抱えて集まってくる。

題材も展開もちょっと旧い。読んでいて面白くはあるけれど。

久しぶりの出張で飛行機の中で読んだ。出張先のKirunaは雪がいっぱいだったけど、空気が済んでいてとてもきれいだった。スノーモービルを普通に通勤に使っていたり、一方ではマイナス15℃くらいの中、乳母車を押して普通に散歩してる若いママがいたり、感心。

それにしてもキルナからウーメオに移動するのにストックホルムまで飛行機で戻って乗り換え、というのはどう考えてもムダな気がするけど、実際、二都市間を汽車で移動するよりは時間が短いのだった。

ストックホルムでも地面に雪が残る春分の日。春なのかな?

2014年3月13日 (木)

いろいろ(485)「ことばの魔術師 井上ひさし」

菅野昭正編「ことばの魔術師 井上ひさし」を読んだ。友人や研究者、彼の作品にかかわった演出家達が、井上ひさしを偲んで行った講演の記録。実に多面的な内容だけれどどれもが100%納得できるのは、やはり井上ひさし自身の大きさを示すものか。

井上ひさしは昔大学生のころにかなりよく読んだし、劇も見に行った。当時は阿部公房の不条理劇なんかも見たけれど、楽しさからいえば井上作品の方が上だったな。木の実ナナが出た「雨」なんか、とても面白かったし。エッチの度合いが大学生としてはぎりぎりだったかもしれないけど。

「ことばの魔術師」というのは、まったくその通り。ダジャレも多いから、井上作品が外国にあまり紹介されなくて、それでノーベル賞などの国際文化賞を逃した、と阿刀田高は悔しがるけど、ごろ合わせを他の言語に移すことはほとんど不可能なんだからしょうがないのかも。

そろそろ、文学に戻ろうかともちょっと思い始めている今日この頃。明日、図書館に行って、いろいろ物色してこよう。

2014年3月 8日 (土)

いろいろ(484)「二月三十日」

曽野綾子「二月三十日」を読んだ。比較的新しい短編小説集。表題の「二月三十日」は19世紀半ばに「未開の地」にやってきた修道士の日記の話。最後は一緒に来た修道士仲間全員死んでしまって、意識もうろうとしていた修道士が最後の日付を二月三十日としていた、というのがオチなんだけど、なんか中途半端な終わり方。

曽野綾子はエッセイは抜群なのに、長編小説は出来過ぎの構成がわたし好みではないんだけど、短編はこの本のようにオチがないというか、なんでそこで終わる?という終わり方が多いように思う。綺麗な文章なのに残念。

この短編集の中では最後の「光散る水際で」が良かった。母と息子の二人暮らしをしていた一家。ある大晦日に突然息子が消えてしまう。母の「支配」から逃れたかった息子は時々連絡は入れるものの家にはもう戻ってこない。三年後ひょんなことから彼がマダガスカルで釣り客のためのガイドをしているという情報が入る。母はツアーに参加してマダガスカルに出かける。ツアーで一緒になった紳士に諭されて、釣り船に乗った息子を遠くから眺めるだけで帰ることにする、というストーリー。最初のうち(客観的にみて)押しつけがましい母の視点で話が展開していくのがちょっと痛快。最後の場面はちょっと感動的。

マダガスカル、行ってみたいな。綺麗なんだろうな。

昨日から世界陸上室内選手権が開催。室内で陸上をやるんだったら、ドームのような大きなところでやるべきで、100mの競技を60mにするとか、7種競技を5種にする(やり投げは危ないので室内ではやらないことになっているそう)とか、小手先の妥協なんかしないでよ、と思うのは私だけか?ま、TVで見るものがあるのはよいから本日もTVにかじりつくんだけど。

2014年3月 3日 (月)

いろいろ(483)「小さいおうち」

中島京子「小さいおうち」を読んだ。昭和の時代に生きた女中のタキさんの生涯。美人の奥様と旦那様と坊ちゃんと一緒に暮らす東京郊外の小さな赤い屋根のおうち。終戦間際に山形に戻ってひっそりと暮らす彼女のもとを訪れるのは甥(というか、タキさんが大伯母にあたるというんだから甥ではないなぁ、多分)だけ。タキがそれまでの人生を書いたノートを最後に託される。

で、最後にどんでん返しがあるんだけど、綺麗で切ない読後感が残るだけの良い小説でした。中島京子って読んだことがなかったんだけど、力のある人なのね?

アマゾンで取り寄せた漫画は全部読んじゃって、残ってるのは逢坂剛のスペインシリーズの最後の1冊(文庫本では2冊)だけ。出張の際にヒコーキの中で読むべく手を付けずに残してあるけど、我慢できるかなぁ。。

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