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2013年9月 4日 (水)

いろいろ(440)「スウェーデンは放射能汚染からどう社会を守っているのか」

「スウェーデンは放射能汚染からどう社会を守っているのか」(高見幸子・佐藤吉宗:共訳)を読んだ。オリジナルと対照しながら。この題はちょっと言い過ぎで、オリジナルに忠実に訳すと「放射性物質が降下した場合の食料品生産」(Livsmedelsproduktionen vid nedfall av radioaktiva ämnen)となる。チェルノブイリの原発事故後の対応などを反省しながら、食糧庁、農業庁、国防研究所、放射線保護インスティテュート、国立農業大学などがまとめたレポート(2001年)。

オリジナルは10年以上前の本(訳本は2012年出版)だけど、学ぶところは多い。放射性物質がどのように降下し、どのように食品に吸収されるか、人間にどのような影響があるか、などは今でも変わらないし。たとえば調理の際に食材を茹でれば随分放射能が除去されるといった情報も。

スウェーデンは情報公開の原則が徹底している。正確に情報を伝えることが大事だと、この本でも強調されている。

それにしてもスウェーデン語(英語も)の専門用語に比べて日本語の専門用語って、わざとわかりにくくしてるんじゃないかと思うくらい「特殊」に感じる。だから多分、よい訳なのに、オリジナルのほうがずっと理解しやすいと思うんだろうな。

オリジナルも訳本もオススメでございます。

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コメント

日本語訳語が分かりにくいのは昔からのことで、依然として、という状況ですね。

一つにそれは単語の作り方が違うから、ということがありますが、同時に、自分たちの言葉は自分たちが育てるという気がいがないせいもあると思っています・・ 自分が経験してきた範囲で、最近の日本は出世至上主義者が動かしていますから・・

出世につながるならカバン持ちでもなんでもするが、繋がらないと見るや否やさっさと離れてゆくという・・ 言葉の洗練みたいな、結果が10年、100年後に解ることなんて、出世につながらない典型みたいなことに関心持つ人がいないせいでしょう。

これに輪をかけて報道には、記者の資質という問題もあって・・ 欧米並みに知らせるための資料が出てくる環境からはますます遠ざかる。

去年の情報処理学会会誌の4月あたりに新聞関係の方が寄稿されていて、「原子力発電所の事故を取材するときには原子力関係の専門用語を理解するのが大変だった」そうです。・・ ということは、「ボルトやアンペアも知らずに感電事故を取材した」ような状態だったのでしょうか・・;

出世につながらない、取材の労力も大きい、事案には、そんなこと知るか、という態度をとるか、出世につながるような角度から報道するか・・ 地道に報道して国民が不要な混乱を起こすことを回避する位なら、大企業を糾弾する先頭に立ってスクープを張ろう、というか・・ いずれにしても、結果として出てくる文書はストレスばかりになる。

英語で直接読むというのも餡なのかもしれませんね。

蛇足
「さざれ石の巌となりて」というのは、砂が粘着剤になって小石をまとめている様を言うそうですが、それにしても、小石同士の権力争いという構図はいい加減飽き飽きしています。

たとえば「実効線量」とか「等価線量」という専門用語があります。英語だと前者はeffective dose、後者はequivalent doseになります。実効線量というのは「放射線エネルギーの量と各種放射線の危険性だけでなくそれぞれの人体器官の放射線に対する感受性が異なることを考慮した指標」で、等価線量というのは「人体の各組織・臓器が放射線を受けた場合、組織・臓器に対する被ばく影響を考慮した吸収線量」だそうです。う~むむむ、でございましょう?

実効、等価ともにとてもいい言葉だと思いますよ。他にどう言えと(笑)?微分、積分、集合なみのヒット作だと思いますが。むしろ「」の中の説明が意味不明というか、ちゃんと伝えてないのでよく分からないのでは?

「他にどう言えと?」といわれると確かに言い方はないような気がしますね(笑)。
スウェ語・英語の言葉の方が文句なく分かる気がする。。
一昨日、まったく別の分野の通訳していて「fakta(英語ではfact)」を「事実」と訳したら、日本人側から「事実というと別のニュアンスだろう」とクレームがついたので「ファクツ」にしたということがありました。いいもん、えーご、使うもんっ!

そうやって翻訳を放棄して(というか、日本語に取り込んで)大成功したのは「ベクトル」ですかね。翻訳して(とうか、新語を作って)失敗したのが「算程」かな。これは電算機用プログラムのことですが、subroutine subprogram が「算程副譜」とか、悲惨なことになって誰も使わなかった(笑)。他人事ながら、中国とかどうしてるんでしょうね?

中国語では以下の通りです(一部簡体字を日本的に直してますが)。
ベクトル=矢量←ちょっと笑える♪
放射線量=輻射用量
実効線量=有効量
等価線量=当量剤量

マトリックスを「行列」とした名訳があるわけですが、それを敷衍するとベクトルは「行」か「列」にしたのでは、と思ったら「矢」だったか・・・ちょっと残念。

iいやー、かなり楽しい訳だと思いますけど<矢量。
こういう今までになかったものを新たに訳す、っていうのでは、Basebollを野球と訳した正岡子規の例がよくあげられますね。考えてみるとおもしろいですね。

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