フォト
無料ブログはココログ

« いろいろ(273)ヘルシンキの見知らぬ人たち | トップページ | いろいろ(275)「使命と魂のリミット」と「秘密」 »

2012年4月 1日 (日)

いろいろ(274)「つやのよる」と東野圭吾作品群

ヒコーキに乗ったので(待ってる時間も長いし)本をたくさん読んだ。

井上荒野「つやのよる」は、死にゆく「艶」という女性の周辺の人々と「艶」との関係を綴っていく構成で、たとえば<第一章 艶の従兄の妻、石田環希(51歳)><第二章 艶の最初の夫の愛人、橋本湊(29歳)>といったような。で、最後の<第7章 艶の最後の夫、松生春二(49歳)>まで読むとなんとなく、奔放な人生を生きて死んでいく艶という人がわかるようになってるんだけど、艶自身についての記述というのはほとんど皆間接的なものなのね。ちょっと煩雑で読者をじらしている感じがして好みではなかった。

東野圭吾作品を続けて読んだのだけど、「新参者」が上の「つやのよる」とちょっと似た構成だった。一人住まいの中年の女性が絞め殺されている事件を、人形町に新しく配属された加賀という刑事がほんのちょっとして引っかかる点を詳細に調べて暴いていく、というのだけど、一見無関係に見える人を各章の主人公としてつなげていくのね。加賀刑事がかなり魅力的だから詠み続けたけど、こういう構成はちょっとアレだなぁ、やっぱ。

「眠りの森」はバレエ団で次々に殺されている殺人事件を「新参者」にもでてきた加賀恭一郎刑事が説いていく物語。バレエの世界を良く描いているな、と思うけど、謎解きがちょっと不足気味というか弱い気がする。

「手紙」は弟のために強盗殺人を犯して15年の刑に服している兄のせいで人生の選択肢を次々に潰されていく弟が、毎月一回検閲印つきの手紙を送ってくる兄に対し、最後に「もう縁を切る」という手紙を書いて、新たの人生を進もうとするんだけど、その新たな第一歩でミュージシャンとして刑務所慰問に行って兄を前に声が出なくなるという場面で終わる物語。状況的には救いの無い設定なんだけど、精神的には救われる、のかも。ちょっと重い内容。

「ダイイング・アイ」はおどろおどろしい作品。自転車に乗っていて車に追突されて壁と車の間で潰されて死んでしまった女性の生への執念が籠った目を見たある人物が復讐の殺人を犯していく、というもの。描写がえぐいけれどこれはこれでかなりちゃんとした作品。

東野作品を続けて読んできて、トリックを早い段階で示しているのが特徴かも?と感じた。「手紙」は異質だったけど。比較的好きな作家かも?とも思う。友人にいっぱいもらったのでまだまだ彼の作品、読む本があるのだ、くふくふ♪

« いろいろ(273)ヘルシンキの見知らぬ人たち | トップページ | いろいろ(275)「使命と魂のリミット」と「秘密」 »

いろいろ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/561891/54364587

この記事へのトラックバック一覧です: いろいろ(274)「つやのよる」と東野圭吾作品群:

« いろいろ(273)ヘルシンキの見知らぬ人たち | トップページ | いろいろ(275)「使命と魂のリミット」と「秘密」 »