いろいろ(35) 似てるかな?-宮沢賢治とエディス・セーデルグランno1
「未来圏からの影」
1925年2月15日
吹雪(フキ)はひどいし
けふもすさまじい落磐
……どうしてあんなにひっきりなし
凍った汽笛(フエ)を鳴らすのか……
影や恐ろしいけむりのなかから
蒼ざめてひとがよろよろあらはれる
それは氷の未来圏からなげられた
戦慄すべきおれの影だ
(宮沢賢治、『春と修羅』第二集)
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「未来の影」
死の影を感じる
私たちの運命が
ノルノルのテーブルの上で山をなしているのを私は知っている
永遠の時間の本に書き込まれないものは、
雨一滴も土にしみこまないことを私は知っている
私は太陽が昇るのが自明であるように、
彼女が天頂に立つ、その行き詰る瞬間を
私は絶対に見ることができないことを良く知っている
未来は私に幸福な影を投げかける
それはあふれる太陽以外の何者でもない
光に突き抜かれて私は死ぬだろう
間違って私の足で踏みつけてしまったから
私は微笑んで人生に背を向けるのだ
(エディス・セーデルグラン、’Framtidens skugga’i ”Framtidens skugga”1920)
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