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2010年7月11日 (日)

北欧神話(9) 第二章<トールが自分の力を魔術に優れる偉大な巨人ユートゴーダローケに試す>(4)

第二章<トールが自分の力を魔術に優れる偉大な巨人ユートゴーダローケに試す>(4)

 彼らの前に巨大な人間に似た形のものが地面にいる輪郭が垣間見えた。そのそばに立っている木はまるで藪のような小ささに見えた。それはとてつもない大きさの巨人が地面に寝ている姿だった。
突然、彼らの足の下の地面が揺れはじめ、ひっかくような音が空気を満たした。ゆれと騒音は短い合間を縫って規則的に聞こえてきて、彼らの後ろの森の木の先端が大風にあっているかのように揺れた。
トールの旅仲間達は不安げに周囲を見回した。
トールは目を凝らして前の方を見ようとしたが、今ではもう横たわっている巨人見えなくなっていた。霧が濃くなっていたのだ。
「ちぇっ!」と彼は落胆して毒づいた。
「ついさっきまでそこに巨人がいただろう?あいつはどこに行っちゃったんだ?」
「巨人なんか気にしなくていいよ」とローケは神経質に言った。
「地面が落ち着いて霧が晴れさえしたら、また彼が見えてくるだろうさ。彼は見つけにくいことはないからね」
ローケがユートゴーダローケから計画を伝えられたときには、ローケがトールを連れてヨートゥンヘイムに足を踏み入れたときに何が起こるかの詳しい説明は無かった。ローケにわかっているのは、ユートゴーダローケ自身が処理する、ということだけだった。
ローケは地面の不気味な揺れが気に入らなかった。そして今や彼は一所懸命にトールを窮地に陥れたことを後悔し、計画の細部は無視することにした。
 霧は彼らを包み、瞬く間に暗闇が彼らを覆った。野営のためにどこか適当な場所を見つけ出すべきときだった。ローケは目を凝らし、少し先に何か建物があるように思った。
「あそこ、ごらんよ!」と彼は言い、うれしそうに指差した。
「宿泊所に最適だよ!」
彼はトールをその奇異な建物に一緒に引き入れた。建物の入り口は大きく開かれていた。
「ここは乾いていて暖かい」
と彼は満足して言い、家の大きな玄関の横の廊下を寝場所を求めて歩いていった。
 森の中の長い強行軍に疲れたチャルヴェとレスクワはローケの後についていき適当なところで横になった。
 トールはこの宿泊所が良いところだとは考えなかった。彼は彼が見てその後消えてしまった巨人のことが心にひっかかっていたのだった。彼は建物の入り口にもたれて、暗闇の中からの音を探った。
 トールが、揺れと大風を引き起こしたものは何だったのかを何時間も考え続けているうちに、夜が明け始めた。灰色の朝の光が景色を照らし始め、トールに大きな足が見えてきた。彼はしっかり目を覚まして目を見張った。それこそが彼が昨夕見た巨人だった!

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