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2010年7月11日 (日)

北欧神話(8) 第二章<トールが自分の力を魔術に優れる偉大な巨人ユートゴーダローケに試す>(3)

第二章<トールが自分の力を魔術に優れる偉大な巨人ユートゴーダローケに試す>(3)

食事が終わるころには皆おなかがいっぱいになり眠くなってすぐ寝てしまった。
翌朝早くトールは目を覚ました。腹にしっかりベルトを締め手袋をはめハンマーを取り出した。彼のハンマーの祝福により中身のない皮が元の雄羊に戻るのだ。トールはこのようにして空腹のときに雄羊をほふって食べつくしたのだった。
トールは雄羊が生き返るようにハンマーを皮の上で振った。けれどもなにかがおかしい。雄羊のうちの一頭が突然びっこを引き始めたのだった。トールが脚に触って見ると足が折れていた。
農民とその家族はトールの怒りの叫びを聞いて何が起こったのかを見るために飛び出してきた。
トールは彼らを怒りの目で見据えてびっこを引いている雄牛を指差した。
「これはなんだ!?」彼は怒鳴った。
 農民の息子チャルヴェはトールの言葉を忘れて、髄を食べるために骨の一本を追ってしまったのだった。おびえた農民は怒り狂っている神と真っ青になっている息子の間に立ち困惑しながら、寛大な償いのためのいろいろな提案をひねりだして、次々にぺらぺらしゃべった。
トールは怒りに包まれたのと同じくらいの速さでなだめられた。農民がほとんど大人になっている彼の息子チャルヴェとレスクワを召使いとして差し出すと提案したときに、トールはすぐに同意した。農民は脚が治るまでトールの雄羊の世話もすると約束した。
 怒りで真っ赤だったトールの顔はもとの明るい色に戻り、彼の機嫌はとてもよくなった。彼はハンマーで武装し、ローケと、トールのお供をすることを喜んでいるチャルヴェとレスクワと一緒に出発した。ユートゴードで巨人たちと力比べをするために。すべてのことが再び輝きに満ちているようだった。
 ローケはヨートゥンヘイムの高い山の先にユートゴードの平地があると言った。そしてそこが彼らの目的地だと。ユートゴードにたどり着くためにはヨートゥンヘイムの高い山を越え、深い森を通ってゆかねばならないのだった。
 トールとその旅仲間達がヨートゥンヘイムの森までたどりつくまでにかなりの時間がかかった。彼らは高い松の木々にさえぎられた常に半暗闇状態になかなか慣れなかった。この小道も無い森の中には目を留めるべき美しいものは何も無かった。荒々しく太い幹の間には何の緑も無かった。地面を覆うのはじゅくじゅくした灰茶色の苔だけだった。
 ローケはあっちだこっちだと指差したが、トールはすぐに彼がどっちに向かって良いのか良くわかっていないということに気づいた。トールは自分で方角を確認し始め、すばしこい若者であることを示したチャルヴェが倒れた木やつるつる滑る根の肥えて進める道があるかどうかを一歩先に確かめる水先案内となった。
 彼らはそのつまならい景色の中を5日間右往左往しながら進んだ。そしてようやく森はだんだん明るくなり始め、とうとう終わりになった。彼らが森の端に立ち、夕方の霧の中で息をついているとき、彼らのうちの一人を喜ばせるような何かが見えた。

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