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2010年7月11日 (日)

北欧神話(77) 第二一章<ローケが追われる>(2)

第二一章<ローケが追われる>(2)

 トールとティールは、暖炉の中で炭のようになった薪の間から飛び出している魚とり用の網の残骸を指で確かめているクヴァセルを探索するように見た。
「この家の中には話をしてくれるものは居ないが、私の目は網を見ている。我々の友はある魚のことを考えていたようだ。それがどのように捕まえられるかを研究していたようだ。」
 神達は炎の中から拾い出した網の残りを詳細に調べた。
「この家に居た誰かはどうやってこのような細かい目の網を逃れればいいかを考えていたようだ」とクヴァセルは鼻で笑った。「同じような細かい目の網を作ろう。これは良くできている。」
 網を作り終えたとき、三人の神達は川のところに降りていった。彼ら両岸に立ち、彼らの間の水の中に網を沈めて下流のほうに向かった。
 最初の試みはうまくいかなかった。彼らが近づくとローケは網の下を逃げた。二回目の試みでは網に重みがかかり、川底を滑った。ローケは川の下の方に泳ぐことを余儀なくされたが、彼が恐れていたように網はどんどん近づいてきた。彼は上流に上らないといけないとわかっていたので、網を越えて果敢に高く跳び上がった。彼は近づいてくる浅い湖に追い込まれたくなかったのだ。
 神達は魚が宙で輝くのを見て、戦術を変えた。彼らのうちの二人が上流に網とともに走り、一番背の高いトールが水の真ん中に入って、ふくらはぎまで浸かり、網を避けて飛び跳ねる魚を捕まえるのだ。
 ローケは浅い湖に向かってはいけないことを知っていたので、トールが川の中に立っているにもかかわらず、神達が再び近づくと網を越えて跳んだ。
 トールは魚を捕まえることに成功したが、手が滑って、あわてて力を入れなおしてようやく尾びれの手前で止まった。だから鮭は今でも尾びれのすぐ前が一番細くなっているのさ。
 神達はあまり言葉を交わさずとらわれたローケを洞穴の中に引きずっていった。そこで彼らは無言で三つの平らな岩で四角く背の高い台を作った。それからローケをその上に置き、太い縄で彼を台に縛り付けた。ローケは縄が締め付けられるとその痛みで息ができなくなり、岩板の鋭い縁に押し付けられた。
 神達は、ローケとその妻シーギンの間にできた息子達ヴァーレとナルフェを連れてくるための洞穴を出た。
 ヴァーレとナルフェが洞穴に着き、彼らの父が縛り付けられているのを見たとき、神達はローケをさらに罰するためにナルフェを狼に変えた。
 狼になったナルフェは直ちに兄に襲い掛かり彼をずたずたに噛み裂いてしまった。

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