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2010年7月11日 (日)

北欧神話(69) 第十七章<海の神エーギルが宴会を催す>(1)

第十七章<海の神エーギルが宴会を催す>(1)

 ある日ついに海の神エーギルからの宴会の招待状が届いた。その催しへのアーサの神々の期待はとても大きかった。というのもその宴会はアーサの神々、ヴァーネの神々、巨人達、妖精達、幾人かの選ばれた小人達が和気藹々と集える数少ないチャンスだったから。オーデンと彼の妻フリッグ、ニョードと彼といまだにつきあっている女巨人スカーデ、イードゥンと彼女の夫ブラーゲ、ローケ、ティール、フレイとフレイヤは一緒に何人かの家来とともにエージルの広間に向かった。オーデンの無口な息子ヴィーダルもまた、なにはともあれなんでも参加するのだが、愛する鉄の靴の音を立てて宴会にやってきた。エージルのおいしい蜜酒を味わう機会を彼は逃したくなかったのだ。
 エージルのところでは雰囲気が一気に盛り上がっていた。客達が招かれいれられた広間は自ら輝く金で美しく光り、蜜酒は自ら注がれた。それらのおいしい飲み物と大量のご馳走で皆とても機嫌が良かった。
 ローケはその和気藹々とした雰囲気と飛び交う吐き気のするような優しい言葉の後で、突然エーギルの家来を訳もなく殺した。
 アーサの神々は面目ない様子で彼を見た。それから彼らは怒って自分達の盾を振って彼を森へと追い出した。しかしローケはまだ用事が終わっていなかったので彼らのところへ戻った。
 彼が入ってきたとき、広間に居たすべてのものは黙った。
「なぜそんなに静かなんだ、むっつりした神々よ?私だよ!席に案内してくれ、そうじゃなかったらもう一度森に追い出せばいい。どっちでもあんたたちが選べばいいさ。」
「私達は誰と一緒に宴会をしたいかを知っていると思うよ!」とイドゥンの夫、ブラーゲが叫んだ。
「では、オーデン」とローケは言い、彼の傷のある唇を引き上げ、ゆがんだ笑いを浮かべた。「私達が義兄弟になったときのことを覚えているかい?そうだとしたら私にも杯が配られなければあんたの蜜酒もうまくはなかろうよ。」
 オーデンはローケをしっかと見つめた後で、自分の息子ヴィーダルに向かって言った。
「席を立ちなさい、ヴィーダル。狼の父に席を作るんだ」と彼は命じるように言った。
 ヴィーダルは立ち上がり、一言も言わずにローケの杯に蜜酒を満たした。
 ローケは席に着き、周りを見回し、イードゥンの夫に視線を留めた。
「ブラーゲ、お前に地獄を。生き物の中で最も臆病なお前に」と彼は侮蔑する調子で乾杯した。
 ブラーゲはテーブルを離れた。
「お前は自分の頭が惜しくは無いのか、この嘘つきめ!」と彼は叫んだ。
イードゥンは恐怖の表情で夫の腕に手を置いた。
「急いで変なことをしないで。私達の子どものことを考えて。」

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