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2010年7月11日 (日)

北欧神話(67) 第十六章<トールが力が強いばかりではないことを証明する>(1)

第十六章<トールが力が強いばかりではないことを証明する>(1)

 それはトールがヨートゥンヘイムの岩山での偵察からアースゴードへ夜遅く戻ってきたときのことだった。自分の砦に近づいたとき、彼は山羊車を止める暇もなく彼のところへ急いで駆け寄ってくる小人に出会った。
「トール!ようやく!」と小人は鼻から息を吐いた。「私はあんたの娘のトルード・トーシュドッテルを連れて家に帰ろうと思ってここに急いで来たんだ。アースゴードでの私の働きの褒美として彼女を嫁にもらえるという約束だから。さあ彼女をくれ!」
トールは嫌悪の表情で、突然彼の娘を要求しに来たその青白い、無骨な小人を仔細に見た。
「なんでお前はそんなに鼻が白いのだ?死人と一緒に寝たのか?」と彼は不機嫌そうに尋ねた。
「私は、、、」とその小人は話し始めたがトールにさえぎられた。
「お前はいったい誰なんだ?お前は背は低いけれど小人には見えない。巨人の仲間なのか?どうやってアースゴードに来れたんだ?」と彼はもごもご言ってハンマーをもてあそんだ。「巨人は絶対に私の娘に触らせないぞ。」
「巨人?私は小人アルヴィス(注:すべてを知るものという意味)だ。ニーダヴェリルに住んでいる」と小人は侮辱するように言った。「私はアースゴードの神々のために造った偉大な武器の報酬を得に来たのだ。さああ約束の娘をよこせ」と彼は息を吐きながら言った。
 トールの筋肉が彼の日に焼けた肌の下で動いたが、彼は努力して小人に飛び掛る気持ちを抑えた。神々の誰かが、もしかしたら彼の父が、この男にトールの娘をくれてやることを約束したらしい。この小人が造った武器というのは素晴らしいものだったに違いない。さあ今はどうにか面子をつぶさずにこの苦境を抜け出すことを考えねば。
「私は花嫁の父だが、結婚の話はまったく聞いていない」と彼は言い、ゆっくりと山羊車を降りた。「お前はまず私の了解を取り付けねばならないだろう。」
「あんたの了承だって?私はすでに約束をもらっているんだぜ」と小人は嘲笑的な笑いを浮かべた。
トールの青い鋼鉄のような視線がそのあつかましい小人に集中したが、その小人はトールがその途方も無い力を使わないことに確信を抱いているようだった。
「お前がちゃんとした名前を持っているのなら、、」と彼は言った。
小人は笑った。
「私はアルヴィスだ。この名はとてもよい名だ」と彼は満足げに言った。「私はあんたにいろんなことを教えてやることができる。なにか知りたいことがあるか?」
トールは小人の申し出を感謝を持って受け入れた。
「おお、それは素晴らしいことだ。私はたとえば九つの世界でいろいろなものがなんと呼ばれているかを知りたい。

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