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2010年7月11日 (日)

北欧神話(6) 第二章<トールが自分の力を魔術に優れる偉大な巨人ユートゴーダローケに試す>(1)

第二章<トールが自分の力を魔術に優れる偉大な巨人ユートゴーダローケに試す>(1)

アーサゴードに戻ってきたとき、トールは異常な強さの気性の激しい若い神に育っていた。彼の巨大な力はすでにイグドラシルのすべての世界中に知れ渡っており、巨人たちは彼の力を恐れていた。
ある雨の日、偉大な巨人ユートゴーダローケはトールのハンマーがいさかいの中で彼のいとこに向かって使われたと聞かされ、この若い神にまつわる将来の不安に業を煮やし、巨人のうちで最も強くもっとも賢い者たちがこの問題を協議すべく招集をかけた。
ユートゴーダローケの友人たちがヨートゥンヘイムの広大な生い茂った松の森の蒸気のたった水に沈んだ苔の上を歩んで集まってくるまでに時間はかからなかった。
ウートゴードの大きな集会場のベンチが余すところ無く埋まったとき、ユートゴーダローケは立ち上がり、両腕を高く上げ、来客たちを静かにさせた。
「いまこそわれわれはトールの力についてこれを最後として確かめるべきである、そうではないか?」と彼は威厳を持って問いかけた。
薄暗い灯りのついた部屋の中の巨人たちは不安になって、もごもご言ったり、ふんふん言ったりして、目をきょろきょろとさせた。彼らのうちの最も強いものさえ、その若い雷神のことを考えると黙ってしまったのだった。
ユートゴーダローケは部屋を埋めた臆病な顔の表情にがっかりして、もじゃもじゃの髪の毛を掻いた。ここでは助けを得るのは容易ではないようだ。
けれども彼は突然ニコニコした。
「ローケに手伝ってもらおう!」と彼は叫び、ほっとして集団を眺めた。
巨人たちはひげを引っ張り、納得いかないように互いの顔を頭をかしげながら見合った。
「ファルバウテスの息子のローケに、力試しのためにここにトールをよんでもらおう」と彼は決定した。
彼の考えはけっこう良い考えかもしれない、とみなは理解した。ローケは嵐と雷をつかさどる巨人ファルバウテの息子のうちの一人であったが、神の王オーデンがイグドラシルの民の間の仲の良いパートナーを替えてからというもの、アースゴードに住んでいたのだった。ローケはすべての神と知り合いであり、トールを連れ出すことも確かにできるであろう。
問題はトールがヨートゥンヘイムにやってきたとして、誰がトールの力を試すかということだった。
ユートゴーダローケは彼のすばらしい提案にすっかり満足して、自分の大きな鼻をなでた。今こそ彼はみなの視線を一身に集め、今こそ計画を練るときなのだ。彼は口の端を引き上げ、にかっと笑い、茶色い歯を見せた。お客たちに彼の偉大な魔法の力について思い出させるときだった。

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