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2010年7月11日 (日)

北欧神話(59) 第十三章<フェンリスウルヴェンが縛り付けられる>(2)

第十三章<フェンリスウルヴェンが縛り付けられる>(2)

 トールとティールが狼のところまで縄を運んだ。ティールがその獣に食事を与えている間に彼らは地面に縄を置いてこう尋ねた:
「この縄切れを食いちぎられるかい?」
 フェンリスウルヴェンは軽蔑するような眼でその縄に視線を投げかけ、一撃でそれを食いちぎった。
 二人の神々は互いに顔を見合わせ、フェンリスの力を褒め称え、新たな集会を持つために運命の泉に戻った。
 鉄の鎖が良いだろうという結論となった。それでアースゴードで一番腕の立つ鍛冶屋が太い鎖を製造した。その鎖は縄の二倍の強さを持っていた。
 それが完成するとトールとティールは新たに狼に食事を与え、鎖の強さを彼に試させた。
 フェンリスウルヴェンは疑い深く鎖を見たが、神たちが彼の周りにそれをつけるのを許した。それから彼は背を丸め、鎖は砕け散った。
 狼は満足した。神々が彼の前に置いた太い縄を食いちぎってからさらに彼の力強さは増しているようだと狼は感じた。彼は明らかにとても強くなっているようだった。
 神々は今や狼をつなげるかどうかを心配し始めた。彼らはフレイヤの賢い家来スクリネルを小人たちのところへ送って魔法の持続力を持つ縄を鋳ることができるかどうか聞きに行かせた。
 スクリネルが小人たちの鋳物を持って戻ってきたとき、神々は非常に疑い深い視線でそれを見つめた。スクリネルが持ってきたものは縄ではなく、薄く平たいベルトだったから。それは絹のベルトに似ていたが、小人たちによれば鋼鉄より強いということだった。
 神々がベルトの材料について尋ねると、それは誰も見つけられないもの、また誰もそれに勝てないものだということだった。すなわち猫の歩みの音、魚の息、鳥の唾、岩の根だった。それら全部それからもう少し別なものも加えて熊の筋と一緒に縒ったのだ。
 神々はその威力ある材料にもかかわらず大丈夫かどうか不安に思った。けれども弱々しく見えるベルと以外に他に手段は無さそうだったから、彼らは小人たちの魔法にすべてをかけることにした。
 トールとティールは狼をうまくたぶらかして島に連れ出し、彼に食事を与え、地面にそのベルトを置いた。フェンリスウルヴェンは力比べを心待ちにしていた。
「この糸は何だ?」と彼はうなった。
「お前の力をまた試そうと思うのだよ」と神達は言った。
「こんな紐じゃあなんの誉れにもならないじゃないか」と狼は鼻を鳴らした。
「これは見かけより強いのだよ」と神達は正しく答えた。
 狼は疑い深くベルトのにおいをかいだ。
「なにか狡知で作られているかもしれないな。。。そうだとしたらどんなに薄く見えようと俺の体の周りにつけるのはいやだな。」

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