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2010年7月11日 (日)

北欧神話(56) 第十二章<オーデンが吟遊詩人の蜜酒を持ってくるのに成功する>(2)

第十二章<オーデンが吟遊詩人の蜜酒を持ってくるのに成功する>(2)

 巨人は機嫌がよく、客を夕食の卓に招待した。少し話をしてからオーデンは不思議な光景に出会ったことを語った。
「私はあなたの農場の近くの大きな、良い畑で9人の男たちが草を刈っているのを見た」と彼は無頓着な表情を装って、なにも気づいていない巨人に言った。
「不思議なことに彼らは突然互いに不器用に鋤を振り回し、もう仕事ができないようになってしまったのだ。」
 バウゲは目を見開いた。
「なんだって!あいつらは皆互いに切り殺しちまったと言うのか?皆?」
オーデンは深刻な顔でうなずいた。
バウゲは腰を下ろして、自分の大きな手を握り締めた。
「ああ、ああ、ああ!これは本当に悪い知らせだ。畑をこれからどうしたらいいんだ。草は今刈らなくちゃならないというのに!」
「私はとても力があるから多分あなたの草刈りを手伝えると思いますよ」とオーデンは言い、背筋を伸ばした。
バウゲは疑い深く彼の食卓に座っている巨人を眺めた。
「あんたは確かにかなり大きいが」と彼はもごもご言った。「けれどもあの畑には9人も必要だったのだ。巨人だとしても一人だけで全部間に合わせることはできまい。」
 オーデンはバウゲの目を見据えた。
「私の力を試してみて損は無いでしょう。明日にでも。」
バウゲは同意した。
次の日、彼は客を畑に連れて行った。そしてその訪問者が9人と同じくらいすばやく鋤を使うのを見て驚いた。オーデンはびっくりしているバウゲに向かって微笑み、草を全部刈るまで居ると約束した。
少し経って仕事が全部終わると、満足したバウゲは寛容に言った。
「あんた自身で報奨を決めていいよ。9人分も働いたんだから。」
「では、あなたの兄さんのスットゥングが私に例の魔法のように旨い蜜酒を味わわせてくれることを望みます」とオーデンは気取らずに言った。
「うーん、それは無理だ!」と彼は両手を体の前に突き出した。「あの蜜酒は生きたものがその香りをかいではならないんだ。もちろんグンレード以外は」と彼は髪を掻いた。「スットゥングのかわいい娘さ。彼女は岩の下で蜜酒を守っているんだ、わかるだろう。」
オーデンの目つきは危険なほど鋭くなった。
「あなたはついさっきなんでも望むものを与えると約束したではないか。さあ、約束を果たしてもらおう。蜜酒まで案内しろ。」

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