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2010年7月11日 (日)

北欧神話(53) 第十一章<ローケが二兎を得る>(4)

第十一章<ローケが二兎を得る>(4)

「高くつく、だと?!」彼は甲高い声で笑った。「お前達こそ、どんな高い代償を支払ってくれるのだ、わしの息子ウッテル(かわうそ)を殺したことの!」
神々は落胆して黙って互いを見交わした。
「ウッテルは昼間はかわうその姿で川で遊び、魚を食らうのが好きだったのだ。でも夜には普通の姿に戻って家に帰ってきたのだ」とレイドマルは鼻声でしゃべり、暖炉の炎の前に横たわっているかわうそを見つめた。
 ローケは笑い出しそうに見えたが、どうにか深刻な表情を保った。
「かわうそは旨い。かわうその姿で川を漕ぎまわるなんて、あまりにも危険で、、」
「ゴールドだ!」と小人は怒鳴った。「金で償ってもらおう。わしの二人の息子がウッテルの皮を縫い合わせたら、お前達はその中に赤金を詰めろ。生きているウッテルのように立つくらいに。それから、、、彼はもっともっと金で飾られねばならない。彼が見えなくなるまで!それができなければ死ね!」
 オーデンは状況が深刻なことを見て取り、ローケに小人アンドヴァーレのところへ行けと命じた。アンドヴァーレはそこから程近いネズの木の下の藪の洞窟に住んでいるのだった。
「彼は金を持っている」と彼は囁き、ローケを意味ありげに見た。ローケは小人が合意するか否かにかかわらず、彼の金を持ってくるのだということを理解した。
「まずエーギルのところへ行き、彼の妻ランに彼女の一番良い網を借りるのだ。その網で小人を捕まえるのだ」とオーデンは言った。
 ローケの縄は解かれ、彼は魔法の靴の力を発揮してできるだけ早くエーギルの広間へ向かった。ランはいやいやながらも彼女の一番良い網のひとつを貸してくれた。ローケはすぐさま地上に戻って、オーデンの言ったネズの木のところまで走った。
 地下深くにアンドヴァーレの住居があった。ローケは小人の洞窟に足を踏み入れ、周りを見回した。広間の真ん中に湖と大きな石があった。年取ったカワカマスが泳いでいたが、小人はどこにもいなかった。ローケは魚を良く観察し、魚の目を見た瞬間思わずランの網を投げかけ、飛び跳ねる肴を陸に引き上げた。
「水の中の小人を釣るのはもう飽きたぜ!」とローケはため息をついた。「元の姿に戻れ、小人よ。いろいろやらなくちゃいけないことがあるんだ!」
 魚はみじめに口を開けたが、乾いた陸の上では空気を十分に得られなかったので小人の姿に戻ることを余儀なくされた。
「お前達は自分以外の姿になる方が心地よいのだな」とローケは言い、ひどい匂いを放つ小人から後ずさった。「命が惜しかったらお前の金のところまで案内しな!」
 小人は魔法を使って湖のそばの石の中の扉を開けた。ローケは赤金の放つ輝きを見た。
 小人は何も言わず彼の宝を集めたが、ローケは小人が指にそっと指輪をはめるのを見逃さなかった。

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