フォト
無料ブログはココログ

« 北欧神話(51) 第十一章<ローケが二兎を得る>(2) | トップページ | 北欧神話(53) 第十一章<ローケが二兎を得る>(4) »

2010年7月11日 (日)

北欧神話(52) 第十一章<ローケが二兎を得る>(3)

第十一章<ローケが二兎を得る>(3)

 「どうだい?」と彼はオーデンとヘーネルに向かって叫んだ。「一投げで獲物を二つ、というのは毎日起きることじゃないぜ!」
 オーデンとヘーネルは笑った。ローケは機嫌がいいときには周り中を良い気分にさせるのだった。
 オーデンはローケには実際良い面があると思った。彼はオーデンにあの素晴らしい馬スレイプネルをくれたではないか。オーデンはそのことにとても感謝していた。その上、ローケは皆を楽しませたり、どきどき心配させたりする。ローケ無しのアースゴードなど考えられるものか。オーデンはローケの悪さについてトールが言葉が彼の心にまいた小さな心配の種を考えないでおくことにした。
「まず、かわうその皮をはごう。それから暗くなる前に野営に適す場所を見つけねばならない」と彼は言った。
 彼らがまた歩き始めたとき、ヘーネルが大きな魚をぶら下げ、オーデンとローケが交代でかわうそを持った。
 彼らは黒い妖精の国と小人たちの国ニダヴェリルの境界までやってきて、地下への道に続く広い入り口を通過した。
「この下に農場がある」とオーデンは言った。「そこに泊めてもらおう。」
家の扉を開けた小人達は、すごいあごひげの年取った男でレイドマルだと名のった。
「われわれに一晩の宿を貸してはもらえまいか」とヘーネルは言った。「とめてくれるなら食料をたくさん提供できる。」
神々は皮をはいだかわうそと魚を小人に見えるようにかかげた。
レイドマルは硬直し、顔色を変えた。
「お入り」と彼は短く言い、彼らを大きな部屋に案内した。「ここで待っていてくれ。」
神々は獲物を床に下ろし、座った。彼らはとたんにとても疲れを覚えた。
 レイドマルが戻ってきたとき、彼は二人の若い男を連れていた。彼らは神々のところへまっすぐ進むと、何の説明もなく彼らを組み敷いた。神々は彼らの疲労感が普通のものではなく魔法によるものだと悟った。
神々が互いにつながって縛られたところで、レイドマルが口を開いた。
「お前たちはわしの息子を殺したんだ!」と彼は憎しみを込めた声で言った。「それに対してお前たちに償いをしてもらおう。」
神々はなにを言っているのかと問うような視線で彼を眺めた。小人はなにか勘違いをしているに違いない。
「お前は何か勘違いをしているぞ、レイドマル。その勘違いの代償は高くつくぞ」とオーデンは警告した。
レイドマルの目は怒りで真っ赤になった。 

« 北欧神話(51) 第十一章<ローケが二兎を得る>(2) | トップページ | 北欧神話(53) 第十一章<ローケが二兎を得る>(4) »

北欧神話」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/561891/48851543

この記事へのトラックバック一覧です: 北欧神話(52) 第十一章<ローケが二兎を得る>(3):

« 北欧神話(51) 第十一章<ローケが二兎を得る>(2) | トップページ | 北欧神話(53) 第十一章<ローケが二兎を得る>(4) »