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2010年7月11日 (日)

北欧神話(51) 第十一章<ローケが二兎を得る>(2)

第十一章<ローケが二兎を得る>(2)

 飲み食いが一段楽したとき、トールは父の耳にローケが実際どんなやつなのかを見極めるときだと囁いた。度々、ローケの嘘とたくらみが彼らを窮地に陥らせ続けたではないか。トールは、オーデンが厳しく、ローケと彼のひねくれた子どもたちが、彼らが神々にとって危険になる前に、イグドラシルの世界からいなくなるようにすべきだと提案した。
「あの子どもたちがどうかはよくわかっているでしょう」とロールは言った。「フェンリスウルヴェンはとても大きくなり、その残忍さは他の狼の比ではなくなっています。彼に食事を与えるのはティールの役目で、もはや彼以外は誰もそばによろうとしません。ヘルについては、死の世界で無慈悲な女帝として大きな力を持ちすぎています。死後に彼女に会うものはかわいそうです。そして私がユートゴードに居たとき以来、ミッドゴードオルムがものすごい大きさに成長していることは皆に知れ渡っています。彼は明らかに世界の海を取り巻くらいの大きさです。それに彼は巨人たちと協定を結んでいるようです。ローケの悪の子ども達にとって状況が良すぎるようです。何か手を打つべきときでしょう。」
 オーデンはあまり気乗りのしない様子で興奮したような息子の話に耳を傾けたが、何も結論は出さなかった。ローケにはよい面と悪い面の両方がある、と彼は言った。そしてオーデンとローケは実際に義理の兄弟であるのだ。
 オーデンがトールの言ったことについて考えている間に、ローケが彼のところへやってきた。彼は焦れて後ろで足踏みをした。
 オーデンは後ろを振り返った。
「兄弟よ、調子はよいか?」と彼はローケに尋ね、トールの肩をぽんとたたき、彼らの会話の終了を告げた。
「ミッドゴードへの私たちのたびはいつ始まるのです?」とローケはいい、眉毛を上げた。
 オーデンは微笑んだ。
「明日だ、友よ。お前の意欲をうれしく思うよ。ヘーネルも一緒に来ると約束してくれた。出発の前にたくさん飲み食いしなさい。」

 翌朝早くオーデン、ローケ、ヘーネルはビーフロストの橋を下った。彼らがミッドゴードまで来たとき、魚釣りに適した流れを探し始めた。上流へと川をたどって数日行ったところに、鮭がたくさんいる流れの速い滝にたどりついた。滝の上には幅の広い平らな岩が横たわっており、川の水は静かにその上を流れていた。
 ローケはその岩の上で立ち止まり、輝く水面を眺めた。ちょうど、かわうそが大きな鮭を捕まえたところで、獲物を脚に挟んでうっとりと川に背面で浮かんでいた。かわうそは素晴らしい食事を始める前に日光浴を楽しんでいるかのようだった。
 ローケは釣竿を投げ出して、彼の魔法の靴で走り寄った。かわうそにできるだけ近づくと、彼は石を拾い、狙いを定めて投げた。それから彼は皮に飛び込み、気絶したかわうそを引き上げた。かわうそはまだしっかりと鮭を抱え込んでいた。

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