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2010年7月11日 (日)

北欧神話(50) 第十一章<ローケが二兎を得る>(1)

第十一章<ローケが二兎を得る>(1)

 巨人ゲイレドへのうまくいった訪問を終えてトールとローケがアースゴードに戻ると、オーデンは大きな宴会を催した。ヴァルハラの椅子は金の甲冑で飾られ、壁には最も美しい壁掛けと金の盾が飾られ、テーブルの上にはたくさんの食べ物が置かれた。神々がトールの帰還を待ちうけるために集まる中、暖炉では炎が楽しそうにぱちぱち音を立て、長いたいまつが大きな広間を照らした。
 ローケは広間の一番末席に着かされ、真ん中で父の隣に座り、彼の業績に対する神々の賞賛の言葉に応える皆の注目を集めるトールを嫉妬に駆られて真っ白な顔で睨みつけた。
「さあ、わが息子よ」とオーデンは満足げに言った。「今回は何人の巨人の息を止めたんだ?三人か?」
トールはうなずいた。
「お前は自分自身の武器と他のものの武器を賢く使ったな。我々の中には残念なことに自分の武器を十分に使えないやつもいるのだが。」
オーデンは苦々しい視線をフレイに向かって投げた。フレイはまるで針の上に座っているかのようだった。
「なにかあったんですか?」とトールは尋ねた。
オーデンは難しい表情だった。
「想像できる以上のことがな」と彼はいい、杯からぐいぐいと酒を飲み干した。「よい子のフレイが、女巨人ヤードの愛を勝ち取るために自分の素晴らしい剣をやってしまったのだ。」
トールは頭を振った。
「それはよくないですね。あれはとてもよい剣だったのに。他のどれよりもずっと良い。」
オーデンはうなずいた。
「そして彼は見返りに何も得なかったのだ。彼の家来のシルネルの脅かしが功を奏しただけなのだ。悪いことを魔法で起こすぞという脅かしさ。三つ頭の巨人との結婚という呪いが鍵になったのだった」と彼はぶつぶつ言った。
トールはフレイを盗み見た。シルネルがフレイの杯に蜜酒を注ぐ間、フレイは恋しい思いに身を沈めてしまっているようだった。
「そしてフレイはまだ彼女を腕の中に抱くことを夢見ているようなのだ」とオーデンは言った。
オーデンはため息をつき、うなずいた。
「彼はヴァーナ神の一人なのだ。それは見ていてもわかる。彼の父がスカーデと結婚して山の上に行かねばならなかったときに、海を恋しがったことを覚えていよう。ニョードはいつも自分が何を望むかを知っていた。そしてできるだけ速くそれを手に入れようとしたのに。親子は似るものだ。。。」

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