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2010年7月11日 (日)

北欧神話(49) 第十章<フレイが愛で満たされる>(2)

第十章<フレイが愛で満たされる>(2)

 シルネルは約束を守った。その危険な夜は道を見つけるのが難しかったが、彼は幸運にも羊飼いと出会って道を教えてもらうことができたのだった。羊飼いたちはどこに最も危険なだまされるところがあるかも教えてくれた。
 彼がついにその女巨人の家の扉をノックしたとき、召使の巨人が彼を中に招きいれ、火のそばに案内した。
「私の名はヤードです」と、火のそばに座って仕事をしていたその美しい女巨人は言った。「真夜中に私の居間を見に来るなんてあなたはどなた?」
「用事があるのです」とシルネルは答えた。「私の主人、フレイ神が、あなたに会いたがっています。もし彼の望みを聞いてくださるなら、私のリュックサックの中の11個の金のりんごをお礼に差し上げます。」
「私があなたの11個のりんごをとって、見たことも無い人の言うことを聞くの?」とヤードは笑い出した。「そんなこと絶対にしないわ!」
「ここにオーデンの魔法の腕輪のひとつがあります。毎晩同じくらい重い8つの腕輪が生まれてきます。これも差し上げます。」
「私は必要なだけの腕輪は持っているわ」とヤードは冷たく言った。
シルネルはため息をついた。
「刀を見てください。細身で、鋭く、美しく磨かれているでしょう。もしあなたが私の提案を受け入れないならあなたの喉を切りますが。」
ヤードは憎しみを込めて彼を睨んだ。
「強制されて、言うことなんかきくもんですか!必要だったら、私の父さんが私を守ってくれるわ!」
シルネルは光る剣を掲げ上げた。
「この鋭い剣は年老いた巨人も倒せるのです。これはとても素晴らしい剣です。あなたの気が変わったらこの剣をあなたに差し上げられます。でもあなたを手なづけるために私の魔法の枝を使いましょう。」彼はリュックサックの中を探して小枝を取り出した。
ヤードは疑い深く彼を見ていた。
「あなたがこの世からいなくなるように」と彼はつぶやいた。「死者の国へ向かうように。食物の味がしなくなるように。悲しみと無感覚があなたにまとわりつくように。」
シルネルはヤードの目を見つめながら、枝を振り回した。
「三つの頭をもつ巨人があなたの夫になるように。あるいはあなたの夫には誰もならないように。アーサの神々や他の神々もあなたを怒るようになるように。」
ヤードは不安げに見えた。
「さあ、これから!」とシルネルは言い、木の枝を掲げた。「私が言ったことが現実になります。まず三つの頭を持つ巨人からはじめましょう。。。」
ヤードは彼の手を押さえ、彼を制した。
「あなたの歓迎の杯を干してちょうだい、シルネル。あなたのご主人に会うわ、会いたくはないけど。9日後にバッレという名の美しい丘で待っていると言ってちょうだい。」
シルネルがアースゴードに馬をかって入ってくるやいなや、フレイが急いで彼を迎えた。
「さあ、言ってくれ、シルネル。ヨートゥンヘイムのたびの首尾を」と彼は言った。
シルネルは難儀した説得と合意に至った経緯について話した。
「9日後まで会えないというのか?」とフレイは額にしわを寄せてぶつぶつ言った。「一晩でも長いというのに、二晩以上も、」
賢いシルネルは主人に向かって頭を振り、フレイの馬に草を食べさせるために外に出た。フレイはいてもたってもいられず、それは周りでも良くわかった。愛に関しては皆、我慢ができなくなるものだから。
イグドラシルの世界においては、違いがあっても愛には影響が無いと言うことがわかっただろう。でもわしはまた悪者の話に戻らねばならない。アースゴードの出来事ほとんどに影響を与えた悪について。

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