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2010年7月11日 (日)

北欧神話(47) 第九章<ローケが巨人ゲイレドに捕まる>(4)

第九章<ローケが巨人ゲイレドに捕まる>(4)

トールの頭に不安になる速さで天井が迫ってきた。トールは急いでグリードの魔法の杖を取り出し、天井の梁に押しつぶされないように支えた。彼が下に押し返すと椅子の下からうなり声と何かが床との間でつぶれた音が聞こえた。
トールは椅子の座席を覗いた。ゲイレドの二人の娘が気を失ってのびていた。
そのときゲイレドの家来の一人が入り口にところに姿を現した。彼は打ちのめされて伸びている娘たちに恐怖の視線を当てて震えながら言った。
「ゲ、ゲイレドが、お、お話したいとのことです」と彼は早口にしゃべって、すぐに大きなウサギになったかのごとく走り去った。
トールとローケは庭を横切って下入れるの家の中の広間に入っていった。ゲイレドは暖炉の前の高い椅子に座って彼らを待っていた。
トールが広間の真ん中に近づくと、巨人は突然前に飛び出し、マントの中に隠していたペンチを使って火の中から真っ赤に燃えた鉄の棒を持ち上げた。
「さあ、これでもくらえ!」と巨人は叫び、トールに向かって赤く燃えた鉄の棒を投げつけた。
トールはすばやくグリードの鉄の手袋をはめ、飛んでくる棒をつかみ、槍のようにそれを投げ返した。
ゲイレドは目を見開いて鉄の柱の後ろに隠れたが、燃える鉄の棒の飛んでいく勢いがものすごかったのでそれは鉄の柱も巨人も貫いてしまったのだった。
ローケは言葉も無くその様子を見ていた。しばらくしてから彼が目を上げると、トールはすでに庭を過ぎ家に向かって歩き始めているところだった。
イグドレシルの世界ではこのようにことが運ぶのだ。女巨人が神を愛し、自分の仲間に立ち向かう彼を助ける。愛は諍いより大きいものだからね。

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