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2010年7月11日 (日)

北欧神話(46) 第九章<ローケが巨人ゲイレドに捕まる>(3)

第九章<ローケが巨人ゲイレドに捕まる>(3)

「あなたがなぜハンマー、ベルト、手袋なしに旅をするのかがわからないけれど、それはまったくばかげているわ!」と彼女は強調して言った。「さあ、私のベルト、私の鉄の手袋、そして私の魔法の杖を持ってって。緊急のときに使えるように」と彼女はトールに申し出た。あなたのような美しく若い男が死ぬのは見たくないわ。ゲイレドは多分あなたをだますつもりよ!」
トールは女巨人に向かってあたたかく微笑んで、彼女の申し出を受け入れ感謝した。
ローケは静かに歯軋りした。もちろんトールはまだ若いけれど、、美しい?アーサ神への女巨人の愛と、彼女が彼を助けようとしている熱情を見て彼は気分がよくなかった。
翌朝トールは雄山羊をグリードのところに残し、彼らはヨートゥンヘイムの森を通り抜け、大きな強い流れの川のところまで歩いていった。大きな川は突然森の松の幹の間から現れたのだった。
トールは首をかしげて渦を巻く流れを見つめた。そして川に踏み入る前にグリードが貸してくれた力ベルトを引き締めた。ローケはトールが何をしようとしているかを知ってあわてて前に進んだ。彼はグリードのベルトにつかまり、イガのようにトールの腰にぶら下がった。自分だけだったら彼はとてもそこを越えられそうになかったから。
トールはグリードのベルトにもかかわらず、足場が不安定なことに気づき、流れを鎮めるために女巨人の杖で渦をかき回した。
けれども彼が流れの真ん中まで来ると、突然水の量が増えた。水はすぐにトールの肩のところまで届き、足場を確保するのが難しくなった。
ローケは喘いで、トールの肩にしがみついた。彼の腕はトールの頭に絡みついた。
突然目隠しをされたトールは、ローケの腕を振り払おうとした。また目が見えるようになると、流れの上流にゲイレドの娘の一人が立って、川の岸に脚をかけ、膀胱を空にすることで水の量を増やしているの見た。
トールは怒って水の中に身をかがめ、大きな岩を拾い上げ、巨人の娘に向かって投げた。彼の投石は狙いが確かで、女巨人は叫びながら森の中へ消えていった。水の量は直ちに少し減り、トールは岸に近づこうと努力した。ついに彼は前に進むことができるようになり、岸辺に生えていたナナカマドの木をつかみ、川から出ることができた。
ローケはトールの頭にしがみついていた手を離し、ずぶぬれの息も絶え絶えの固まりになって岸にドスンと落ちた。
しばらく休憩してから彼らはゲイレドの家までの最後の行程を進んだ。ゲイレドの家では彼らは尊厳ある出迎えを受けなかった。ゲイレドは習慣に従って、ローケとトールに寝床を提供しなければならなかったが、家ではなく、山羊小屋に泊まれといった。
山羊小屋の中には大きな椅子がひとつあるだけだった。トールはそれに座った。けれどもトールが座ったとたん、その椅子は空中に浮き始めたのだ!

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