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2010年7月11日 (日)

北欧神話(45) 第九章<ローケが巨人ゲイレドに捕まる>(2)

第九章<ローケが巨人ゲイレドに捕まる>(2)

 「わしはヨートゥンヘイムのすべての巨人の中でも最も強い巨人の一人だぞ。そしてわしはいつもあのうとましいトールを殺そうと望んでいた。お前がここにやってきてわしの家に迷惑をかけたんだから、少しは役に立ってもらわんとな。お前はトールをだましてここに連れて来い。そうすればわしがあいつの巨人狩りを止めてやる。わしたちの誰もあいつを止めることに成功しなかったからな。でもあいつがここにあのいまわしい力のベルト、手袋、ハンマーなしに来るのだったら、どうにかなろうさ。お前はそれができるか?できないんだったらまた箱の中に入れるだけだ。さあ?」
 ローケはあわててうなずいた。彼はなにかを食べねばならなかった。すぐに。そうでなければ彼は鷹の羽を食べ始めていたことだろう。
 ローケはまずすっかり満腹になるまで食べてから、アースゴードに向かって飛んで帰った。彼はそのときすでにどうやって無防備のトールをゲイレドのところまで連れて行くかの算段をしていた。それは難しくはなさそうだった。

 トールは柔らかい朝の太陽を浴びながら膀胱を空にしてるところだった。彼は自分がひとりではないことに気づき、いらいらした。すぐ近くの木の陰のところにローケがいて、彼を観察していたのだった。
「あんたが知っておくべきことを聞いたぞ!」と彼は言った。
トールは眉をひそめ、咳払いをした。
「じゃあ、言ってみせろよ」と彼は疑心暗鬼で言った。
「巨人のゲイレドが、トールは男と男の戦いのできないやつだと言いふらしているのさ。つまり巨人相手の戦いのことだが」とローケは訂正した。「ハンマー、ベルト、手袋の助けなしにはね」
トールは自分のごつごつした手を見つめた。
「おお、あいつはそんなことを言っているのか、、、」と彼はもごもご言った。
 ローケが考えたとおりに、激情家のトールは直ちに自分の車に向かい、それに雄山羊を繋いだ。ローケはそのすぐ後にぴったりとくっついて、ゲイレドがこんなことも言っている、あんなことも言ったと言葉をついで、トールの怒りを増幅させた。
 トールは嫌がったが、ローケに説き伏せられて彼を一緒に車に乗せた。
 ヨートゥンヘイムへの彼らの旅の最終日である三日目の夜に、彼らはグリードという女巨人のところに泊まった。グリードは美しい巨人で、ローケはアース神が彼女に話しかけるのを見たとき、彼らは互いに知り合いだというばかりでなく、互いに好ましく思っているのだなとみてとった。
 女巨人が彼らに夕食をご馳走したとき、二人は今回の旅の目的について彼女に語った。トールがゲイレドを訪ねにいくと知ったとたん、彼女は急にまじめな顔つきになった。ゲイレドは異常にずるがしこく、悪意に満ちていると彼女は説明した。彼女はトールが武器なしに彼の手に落ちるのは見たくない、と言った。

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