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2010年7月11日 (日)

北欧神話(42) 第七章<オーデンが追いつきトールが巨人フルングネルと一騎打ちをするはめになる>(5)

第七章<オーデンが追いつきトールが巨人フルングネルと一騎打ちをするはめになる>(5)

「お前はオーデンの息子、雷神トールと話しているんだぞ」と彼は脅かすように言った。「お前の名前を言え。そしてすぐに舟をここに漕いで来い」。
「私はハルバードだ」とはっきりと向こう岸から聞こえた。
それからなんの動きも無かった。トールは岸の端から歩み進んだが、氷のように詰めたい水に触れて後ずさった。
「ひゅう!これは水浴びをするにはひどい水だ。でも私はここをわたらねばならないのだ。そして哀れなお前に仕返しをしてやるぞ!」
「あんたは渡してもらうような良いことをしたのかい?」と渡しの男は尋ねた。
トールは考え込んだ。
「巨人かな。私はいっぱいやっつけた。西の方に二人大きな巨人が倒れているのが見えるだろう。あれは力持ちの巨人チャツセの目だ。私は怒りを覚えたときに彼らを天蓋にほうり投げたのだ。お前はなにか役に立てたことがあるのか?」
「もちろん、私は戦い、平和のために貢献したさ。ところで、あんたが本当にトールなのだったら、オーデンが死んだ戦士や偉人を得るということを知ってるはずだな。トールは奴隷の類しかもらえないと聞いたぞ。彼は誰もが知っている力持ちだけれど、心は無いそうだぞ。そして頭も弱いってな。巨人スクリメルの手袋の中で不安げに縮こまってたこともあったんだってな。で、あんたが巨人たちをやっつけたんだって言うんかい?」
「ハルバード、この豚め!」トールは怒りくるって叫んだ。「水が間にあることはお前にとって幸運だったな。そうじゃなければ打ち殺してやったところだぞ!」
「あんたはここをわたる手段が無いもんな」と男は笑った。「トールの妻シフは夫が留守の間に誰かを連れ込んでるっていう話だぜ。あんたはそいつに会いたいだろうさ。もしあんたがトールだったとしたらな」と彼は付け加えた。
「嘘をつくな、このならずもの!」とトールは叫んだ。
「南の方を見なよ」と私の男は動じずに言った。
「あの遠くの木が群生しているところまで行き、それをすぎて大きな石のところまできたら左に折れれば、そのうちにあんたの家に着くさ」と彼は慰め、焚き火に火をつけるために背を向けた。「もし小人か巨人が途中であんたをやっつけなかったとしたらな、もちろん!」と彼はつぶやき、彼のだまされやすい息子に向かって鼻で笑った。
トールは背を向けたその頑固な渡しの男を睨むと、とぼとぼと岸を南に向かった。あの男のまなざしはどこかで見たことがあるような気がしたが、どこで見たのかは思い出せなかった。
オーデンは、時にはトールにストップをかけたほうがよいと考えたのだった。そして彼の背に視線を投げたのだった。
そう、こういう結末。トールがその強力をからかわれることもあったのさ。それしか能がないと。けれどもトールは力が強いばかりではないということも、後で話して聞かせよう。

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