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2010年7月11日 (日)

北欧神話(41) 第七章<オーデンが追いつきトールが巨人フルングネルと一騎打ちをするはめになる>(4)

第七章<オーデンが追いつきトールが巨人フルングネルと一騎打ちをするはめになる>(4)

 チャルヴェがマグネをつれて戻ると、マグネは簡単に巨人の足を取り除けたのだった。
 巨人達はそれを心配げなまなざしで見つめると、直ちに恐ろしい知らせを持って家に走って帰った。フルングネルとメッケルカルヴェは倒れ、雷神の上に倒れ掛かったフルングネルの脚を神の赤ん坊がいとも簡単に取り除いたという知らせを!ヨートゥンヘイムの住人にとってその日は暗い日となった。ハンマーのミョルネルはトールをさらに恐ろしい敵にしたのだ。そして彼の息子はさらに恐ろしく育つだろう。
 
 戦いが終わると、チャルヴェはトールの車に小さなマグネを乗せてアースゴードに急いだ。マグネは赤ん坊だからおなかがすいて空の高みで泣き叫んだのだった。チャルヴェはトールの重いハンマーももった。トールは少し心を落ち着かせるために歩いて帰りたがったのだった。トールがヨートゥンヘイムとミッドゴードの間を分ける瀬戸まで来たときには冷えた夜となり、北のほうに霧が濃厚に立ち込めた。トールはいつもとは違ってとっても疲れ、家の中の心地よい火が恋しくなった。彼の頬をくすぐるシフの金の髪、熟成した蜜酒の入った杯。
 瀬戸の向かい側には舟があり人がその脇に立っていた。トールには彼は渡しに見えた。もし彼がそれに乗れたら家まではそう遠くなくなる。
「あんたはだれだ?」と彼は叫んだ。「渡しかい?」
 瀬戸の向こう側の男はトールの方を振り返った。
「そんな大声をかける男の中の男、あんたは誰かね?」
「瀬戸を渡してくれたら、ちょっと早いが私のリュックサックの中の朝食をご馳走してやるぞ」とトールは彼の気を引こうとした。「とても立派で旨いぞ。保証する」
「あんたの朝の大仕事は朝食を用意することなのかい?」とその男はからかうように言った。
 トールは男の無礼な物言いが気に入らなかった。彼は男がさらに彼に口をきいたときに、いろいろはっきりと教えてやろうかと思った。
「追放された暴れ者のように素足だな!」と彼は叫んだ。「迎えに行くほど金持ちには見えないぜ」
 トールの怒りがふつふつと湧き起こってきた。
「ここにお前の小舟を運んでこい!」と彼はどなった。「そうしないとその舟の所有者に言いつけるぞ」
「じゃあ、そうしろよ。彼は料金を払えるものだけを渡せと言ったんだ」と彼は動じず言い返した。
トールは黙った。はっきり言い渡すべきときのようだ。

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