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2010年7月11日 (日)

北欧神話(40) 第七章<オーデンが追いつきトールが巨人フルングネルと一騎打ちをするはめになる>(3)

第七章<オーデンが追いつきトールが巨人フルングネルと一騎打ちをするはめになる>(3)

 その巨大な粘土細工を目にした者は、彼がまったく優しい顔などしていないことにすぐ気づいた。
 トールは、フルングネルと戦うためにアースゴードを出たとき、人間の息子チャルヴェを介助人として供にした。チャルヴェはいつものように先に走ってゆき、フルングネルとメッケルカルヴェの姿を見ると、あることを思いついた。彼は怖がりもせず進み出てフルングネルの耳にこう囁いたのだった。
「トールはね、地下の近道を取ったんだよ。あんたを驚かすためにね。彼は地下から現れるんだよ。」
 フルングネルは最初ぽかんとした表情でチャルヴェを睨んだが、その後賢そうにうなずいて、盾を構えた。
 その瞬間、雷の嵐が吹き荒れ、チャルヴェと巨人のまわりに稲妻を落とした。
 トールが森の入り口から走り出てきた。彼は猛々しい視線を雄山羊に投げかけ、彼らをフルングネルに向かわせた。
 粘土の巨人メッケルカルヴェは、大きさは勇気や力と必ずしも関係があるわけではないということを証明し、すぐにズボンをぬらした。一騎打ちを見に来た巨人達は、そのぬれたしみを失望して見つめた。粘土の巨人はなんの助けにもならないだろう。
 けれどもチャルヴェは冷静に自分を保った。彼は良く狙って粘土の巨人に矢を放った。矢に当たって粘土の巨人は倒れ、こなごなになった。チャルヴェはそれから彼らに向かって轟音を発して向かってくる彼の主人を手伝いをするために準備した。
 トールの新しいハンマーが、彼を乗せた雄山羊の引く車が止まる前にフルングネルに向かって飛んでいった。巨人は身をかがめ、彼の砥石を投げた。
 ハンマーと砥石はものすごい音を立てて空中でぶつかり合った。フルングネルの砥石の大部分は砕け散って、地面に落ちた(それらは今でもミッドゴードの浜の岩となって残っているのじゃ)。けれどもほんのわずかの部分が残って、空を飛んでトールの頭に当たった。かれどもトールは戦いに夢中になっていたのでそれに気づかなかった。
 ミョルネルにはまったく傷がつかず、そのまま稲妻の速さでその目標に向かって飛んでいった。フルングネルはそれに当たり、トールがようやく彼のところに着いたときに、松の木のように地面に倒れた。
 彼の脚の一本はトールの喉にかかり、トールがどんなに身をよじってもそれをはずすことができなかった。
 巨人達は息もつかせない戦いの様子を眺めていたが、近寄る勇気は無かった。
 チャルヴェはトールの雄山羊車に飛び乗った。彼は急いで助けを呼びに行かねばならなかったのだ。彼には誰を呼んでくればよいかがわかっていた。トールの力持ちの息子マグネは生まれてからまだ3日目だったけれど、その赤ん坊はとても力が強かったので、トールを助けることのできる唯一の神なのだった。

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