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2010年7月11日 (日)

北欧神話(3) 第一章<巫女がイグドラシルの9つの世界とその住人について語る>(3)

第一章<巫女がイグドラシルの9つの世界とその住人について語る>(3)

 南にあるのだけれど、ニーダル山脈により近い、それほど熱くないところに、ミーメルの巨人国がある。そこは適度に暖かく、豊穣で、心地よいところで、そこにはミーメルの王自身の泉がイグドラシルの大きな根のうちの三本目の下に湧いていた。ミーメルの清らかな泉の水には比類の無い力があった。すなわちその水はそれを飲むことを許された卓越した者に大きな知恵を授けたのだ。少しでも賢いものはそのような飲み物の価値がわかるだろう。ミーメル自身は、許されぬものが泉に近寄って水を飲まないように泉のほとりでそれを守っている。ああ、つまり、ミーメルの頭がじゃよ。不思議に聞こえると思うが、その頭は、ヴァーネルの親類達がそれを胴体から切り離してから、イグドラシルの根の元で生きているのだ。
 アーサとヴァーネルという二つの神の派が、イグドラシルの王冠の元に、両立して存在するということが、戦争につながらなくても良かったのだが、結局そうなってしまったのだ。そしてその争いが終わってアーサ達がミーメルを講和のための人質としてヴァーネル達に差し出したときに、その恐ろしいことが起こったのだ。ミーメルの頭が切り落とされてアーサ達へ送り返されてきたのだ。それは関係したすべてのものが立ち止まってそれについてよく考えて見るべきひどいことだったのに、そうはならなかった。
 オーデンはすぐ切り落とされたミーメルの頭の処置をして、薬草をすり込み魔法の歌を歌って、それに命を与えた。そして彼は頭をその国に戻し、知恵の泉の脇に置いた。今でも彼がミーメルの泉に知恵を借りに行くことがある。難しいときなどに。彼自身、とても賢いにもかかわらず。
 オーデンはミーメルから泉の水を少し飲んでも良いと許されたわずかなもののうちの一人だ。そしてその数滴の水のためにはたくさんの見返りが必要だった。彼はまず彼の犠牲心を示さねばならなかった。
 オーデンがしたことはとても風変わりなことだった。彼は自分の目をひとつ取り出し井戸において担保にしたのだ。そのあとでミーメルは彼に飲んでも良いという許可を与えた。
 お前さんたちは古い生贄の習慣を聞いたことがあるかい?昔人々が神にささげるために動物を殺し、木につるしたことを知っているかい?
 もうお前さんたちにも良くわかっていると思うけれど、オーデンは、知恵を得るためには常にどんなに大きな犠牲もいとわなかった。一度などは、彼は自分自身をささげたのだ。彼は自分の体を槍でめちゃくちゃに突かせ、イグドラシルの木に9夜の間吊るさせたのだ。片目で、死にかかって。彼は吊るされている間は飲み食いもしなかった、最後に足元から上がってきた魔法のルーンの歌に包み込まれ、それが彼に新しい力を与えるまで。その行為により彼の知恵は以前よりももっと増したのだった。

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