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2010年7月11日 (日)

北欧神話(33) 第六章<トールの妻シフが髪を失う>(3)

第六章<トールの妻シフが髪を失う>(3)

 ローケは満足して槍を手に取り、折りたたんだ船がちゃんと中に入っているかどうか皮袋を手でぽんぽんとたたき、金の髪を肩に投げかけた。そして彼はドヴァリンに別れを告げ、アースゴードへの帰路についた。
 彼がニーダルベリルの地下の道までたどり着く前に、彼は小人の兄弟エイトレとブロックに出会った。彼らはローケが手に入れた宝物について声高く自慢する荷を興味深く聞き入った。
「神々にとってこれほど特別の贈り物はないさ、」とローケはずるがしこくニヤニヤ笑っていった。そしてローケは突然エイトレとブロックも鍛冶屋だということに気がついた。彼らからもなにか贈り物をもっと掠め取ることができるかもしれない。
「ドヴァリンより腕の立つ鍛冶屋はいないね。僕の頭を賭けてもいいさ!」と彼は請け負った。
 小人の兄弟はすぐにその賭けに乗った。彼らはローケが神々の会議で見せるものをなにか作りたかった。ローケがドヴァリンからもらったものよりももっとwすばらしいと神々が感心するようなものを。
 エイトレとブロックはわくわくしてお互いを見た。もし彼らが賭けに勝てばローケの頭が吹っ飛ぶのだ。そうしたら彼らに感謝するものたちはいっぱいいるだろう。
 ローケは小人たちの喜んでいる様子をいぶかしげに横目で見た。もしかしてわれを忘れて馬鹿なことをいってしまったのだろうか。いくつかの贈り物をもっと彼は欲しかったのだけれど、それは彼がすでにもらったものよりも良いものであってはならないのだ。それは危険な賭けだった。彼は自分の頭を賭けてしまったのだから。
 エイトレとブロックは彼らの良く設備の整った鍛冶場にローケを案内した。彼らがその強い力できっぱりと仕事を始めるのをトー家は不安げに眺めた。ブロックはふいごを使い、エイトレは鍛冶に力を込めた。
ローケは彼らの仕事にちょっと割り込まなくてはならないと考えた。
兄弟は自分たちの仕事に没頭していたので、ローケは鍛冶場から静かに後ずさりで去った。ローケは姿を変えることが得意だった。
少し経って異常に大きい馬ハエが現れ、ブロックの手を刺した。
ブロックはぴくっと動いたがそのままふいごに空気を送り続けた。空気を送り続けなければならなかったのだ。仕事が途中で止まってしまったら、魔法の製品にはならないからだ。
最初の贈り物が完成したとき、ローケは鍛冶場に戻った。
「ローケ、これは魔法の空飛ぶ雄豚だ」とエイトレは誇らしく言った。「彼の黄金の剛毛はきらきら輝いて暗闇の中でも道を照らしてくれるだろう」
 ローケは困惑してうなずき、唾を飲んだ。

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