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2010年7月11日 (日)

北欧神話(32) 第六章<トールの妻シフが髪を失う>(2)

第六章<トールの妻シフが髪を失う>(2)

 さあ、困った状態になった。トールをなだめなければならない。彼はそのために誰に相談すれば良いかを思いついた。
 ローケは人知れずアースゴードを後にしてミッドゴードを通り抜けて小人達の地下の国、ニーダヴェリルに続く秘密の道のある山に向かった。彼が小人の国に行くのはこれが最初ではなかったので、小人の国への曲がりくねった道への入り口は簡単に見つけることができた。
 長いひげを生やした小人のドヴァリンは、どんなに変な仕事でもこなせると良く知られた鍛冶屋であった。彼がシフのための新しい髪を作れるだろうということはローケには確かだった。
 ドヴァリンはローケを歓迎して、ローケが無邪気な表情でトールの妻と彼女の不幸なハゲ状態について語るのに耳を傾けた。
 ローケが語り終えると、小人は考え深そうにうなずいて援助を約束した。ローケはその代わりいつかドヴァリンにお返しをするということになった。
 ドヴァリンの鍛冶釜は熱く燃えていて、彼は直ちに純金でトールの妻のための新しい髪をくるくるひねって紡ぎ出しはじめた。それはきらきら輝く美しさを持つばかりでなく、伸びることもでき、頭の皮膚にちゃんと本物の髪のように根をはることができる、と媚とは請け負った。
 髪の毛が完成したとき、金が余った。釜がまだ同じように熱かったので、ドヴァリンは仕事を続けて船を作った。
 ローケはその船がとても壮麗なものであることがすぐにわかった。それは華麗な長船で、へさきに神々しいドラゴンの頭が着いていた。
「これは操るのが簡単な美しい船になるのさ」とドヴァリンは請け負った。「どんな方向に向かおうとちゃんとそのために最適な風が吹くのだ。そしてこれは神々全部が乗ることもできるし、小銭入れのようにも小さくすることができる」
 彼の言葉を証明するために媚とは完成した船を畳んでみせ、ローケのベルトについた皮袋の中に入れた。
 ローケの目は光った。それこそ彼が必要としたものだった。怒り狂った神々をなだめるためには贈り物が多いほうが良い。
 ドヴァリンはもう一度鍛冶に戻り、残っていた金で槍を作った。
「この槍はグングネルという名にしよう!」と彼は叫んだ。「つかみ心地が良いぞ!ほら試してごらん。それにいい姿だ。そうじゃないかい?でもこれのすごいところは絶対に狙ったものをはずさないということなのさ」

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