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2010年7月11日 (日)

北欧神話(25) 第四章<ローケが巨人チャツセとけんかをする羽目になりイードゥンが誘拐される>(3)

第四章<ローケが巨人チャツセとけんかをする羽目になりイードゥンが誘拐される>(3)

「うわあ!ぎゃああ!あああ!弁償するから許してくれ!」と彼は叫んだ。
「どうやって?」と鷲は尋ね、情け容赦ないぶつかり飛行を続けた。
打撃がすぐにローケをぐたぐたにした。彼はほとんど意識を失うほどだった。
「わ、私にあなたになにか償わさせてください」彼は枝の彼の側でぶらぶら揺れながら再びぐしゅぐしゅ言った。
鷲はその大きな翼を滑らせ、緩々と下降した。
「イードゥン」と彼は言った。「私にイードゥンと彼女のりんごをよこせ。そうでなければ私はもう一度お前を空の踊りに連れて行くぞ。私は巨人チャツセなのだからな」
それから彼はぐたぐたになったローケを放し、ローケは地面にどすんと落ちた。ローケはそのまま山の草の中に頭がくらくらしたまま横たわっていた。
ローケに力が戻ったとき、彼はよろめきながら歩いて、オーデンとヘーネルが焚き火のそばに座っているのを見つけた。彼らはローケが苦しんでいる間、静かに楽しみながら食べたり飲んだりしていたのだ。
ローケは黙って彼らを観察し、その姿を目に焼き付けた。彼の中に復讐の炎が燃えた。けれどもものには順番がある。今は彼はチャツセが彼に与えた難しい使命を解決しなければならない。

 次の日、オーデン、ヘーネル、ローケはアースゴードに戻ったとき、ローケはイードゥンの庭に忍び込んだ。イードゥンは歌いながらりんごの木の仕事を続けていた。ひとりぽっちで、ローケの思惑などまったく知らずに。アースゴードに一本しかな古いりんごの木に魔法のりんごがなっていた。そしてその木に常に花を咲かせ、実をつけさせられるのはイードゥンだけだった。毎日イードゥンは腕に籠を抱え神々の会議場に手をかけて育てた果実をもっていくのだった。一日ひとつのりんごだけで神たちは若さを保っていられるのだ。イードゥンのりんごのおかげで神たちは永遠の命があるのだった。
 会議が開かれる時間が近づくと、ローケは庭を出て走り去った。イードゥンは悲運の源泉の会議場にローケのすぐ後に着いて、りんごを配り始めた。
 ローケは彼女を仔細に観察した。彼女は柔らかにまったく何の疑いも持たずに皆が彼女に話しかけることすべてを聞いていた。彼女は子ども膿瘍に穢れの無い感情を持っているのだ、と彼は思った。
 イードゥンが自分の庭に戻るとき、ローケは彼女のあとをつけ、彼女が新たにりんごの木の世話に没頭するのを見つめた。りんごは彼女にとってすべてであるに違いない。イードゥンはオーデンの息子たちのうちの一人であるブラーゲと結婚しているのだが、彼女の関心は夫にではなくりんごの方にあるのだとローケは考えた。

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