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2010年7月11日 (日)

北欧神話(24) 第四章<ローケが巨人チャツセとけんかをする羽目になりイードゥンが誘拐される>(2)

第四章<ローケが巨人チャツセとけんかをする羽目になりイードゥンが誘拐される>(2)

ローケは弓を取り出し牡牛を一頭仕留め、その後皆で助け合ってそれを解体した。焚き火がうまく燃え始め、誘うように炎をぱちぱち吹き上げたので、彼らは火の中に入れておいた石の上に肉を並べた。
しばらくたってからヘーネルは肉を見てそれが依然としてまったく生のままだったのでびっくりした。彼はしばらく考え込んで人差し指を舐めていたが、手を差し伸べてそれを石のひとつにくっつけた。灰色の石の表面に唾が触るとじゅっという音がした。ヘーネルはなぜ肉が調理されないのかが理解できなかった。
皆がちゃんとした食事をまだかまだかと待ち受けていた。ヘーネルは忍耐強く少しでも熱を増すために石を炎の中で移し変えた。肉は新たに火の中に置かれたが、ヘーネルが取り出してみると元のように生のままだった。
「どうしたのだ?」とオーデンはぶつぶつ言い、思案気に炎を見つめた。「魔法に違いない」と彼は断言した。「でも誰が何のためにこんなことをするのだ?」
そのとき彼らの頭の上の木の葉の茂っているところで音がした。神たちは探るように見上げ、緑の葉の中に鷲がいるのを見つけた。
鷲は彼らを観察しているように見えた。
「私に牛をくれるなら調理は成功するだろう」とそれは突然言った。
神たちは互いに見つめ合った。つまりはあそこから魔法が来たのだ。
彼らはとてもおなかがすいていたので肉を分け与えるのに同意した。火の中にあるのはとても大きな動物だから、鷲の分もあるだろう。
わしは合意の後で木から地面に舞い降りてきて食事ができるのを待った。肉が焼けたとたん、鷲は飛びついて貪欲に食らいついた。
ローケは、一番いい部分を不安になるほど速くどんどん食べ続けていく鷲を憤慨してにらんだ。彼は草の上に落ちた枝を見つけ、それを取り上げて鷲がよろけるくらいにひっぱたいた。
「ちょっとは残しておけよ!」と彼は叫んで、もう一度ひっぱたけるように枝を引き戻そうとした。
けれども彼は枝がわしにくっついて取れないことを発見した。
鷲は怒りの叫び声とともに舞い上がった。ローケは枝が彼の手から離れないことも発見した。枝は鷲とローケのどちらにもしっかりくっついてしまったのだった。その大きな鷲が翼の下に空気を抱え込むのにあわせて、ローケはそのまま空中についていくしかなかった。
いらだった鷲は叫び、ローケが彼の無謀な試みを償うべく、ローケが近くのすべての枝や岩にぶつかるようなコースをとって舞い上がった。ローケはぶつかるたびに大きな声でわめいたので、そこらじゅうが騒音でいっぱいになった。

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