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2010年7月11日 (日)

北欧神話(23) 第四章<ローケが巨人チャツセとけんかをする羽目になりイードゥンが誘拐される>(1)

第四章<ローケが巨人チャツセとけんかをする羽目になりイードゥンが誘拐される>(1)

 今日の全体会議はすべての神々が、トールが家まで引っ張って持ってきた巨人ヒーメルからの大鍋に感心することから始まった。そしてそれからトールとティールはその嵐の目を持つ巨人のところまでの旅の様子を皆に語った。
 ローケ自身がここで討議される問題にたびたびかかわってくることから、彼は静かに座って耳を傾けるだけなのは果てしなくつまらないと思った。トールが彼がローケの息子、つまりミッドゴードの蛇をもう少し捕まえるところだったけれど結局失敗したというところまで来ると、アーサの神々は失望してざわめいた。
 毎日の会議は終わって、すべてはいつもどおりだった。アースゴードではわくわくするようなことは起こったためしがない、とローケは意気消沈して言った。
 あどけなく明るく可愛いイードゥンが野原を横切って家に帰る途中彼に手を振った。彼女の籠は軽くからっぽまで、彼女の脇にぶらぶら揺れていた、いつものように彼女は会議に参加した神々にひとつずつりんごをあげたのだった。それは毎日繰り返される光景だった。アースゴードの住人はイードゥンの魔法のりんごのおかげで若さを保つことができるのだった。だれも歳をとらずずっと若いときのままだった。
 すべてが予定通りのまま進むつまらなさだった。アースゴードのだれもいたずらをしないし、意地悪もしなかった。ローケは草花をけり散らしたが、大人の声を聞いて立ち止まった。
「ローケ、青年よ、どこに行くのだ?」
オーデンと彼の弟のヘーネルが道に立って彼を注意深く見ていた。オーデンは夏の暑さの中で暑さに参っているようにみえた。
ローケは挨拶代わりにうなずき、それから肩をすくめた。
「まあ、ききなさい」とオーデンは言った。
「ここでじっとしているには今日は暑すぎる。わたしたちと一緒にミッドゴードの山に遠足に行かないか?涼しい山の空気を吸うのは心地よいだろう。準備ができたらビフロストのところで落ち合おう」
ローケはたちどころに賛成して、家に走り戻って担ぎ袋に荷物を詰め始めた。
三人の神々が集まり、炎に包まれた橋へ降りていった。その炎のために神以外のものはアースゴードとミッドゴードの間の行き来ができないのだった。ミッドゴードに着いた彼らはその国の爽やかで涼しい高山に向かった。
三日後、彼らは山々のずいぶん深いところまで進んだ。そこは美しい谷で、二つの幅広い山の背に囲まれた湖の脇で家畜が草を食んでいた。
荷を解いて寝場所を作り食事をすべきときだった。しかし彼らが持ってきた食料はそろそろ底をつき始めていた。それで、三人の神々たちはそばで草を食んでいた雄牛の一頭を射ることにした。 

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