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2010年7月11日 (日)

北欧神話(22) 第三章<トールが巨人ヒーメルを訪れ魚釣りをする>(6)

第三章<トールが巨人ヒーメルを訪れ魚釣りをする>(6)

 ヒーメルは目を見張って力持ちの若者を見つめ、彼の後ろを熱病にかかったかのように考えながらとぼとぼと歩いていった。どうやったらあの鍋を借りたいといっているこの客を穏便に追い出すことができるだろうか?彼の嵐の目の力が失われている限り、彼を追い出すことは無理かもしれない。
けれどもヒーメルは足を速めた。彼は突然最も強いものでも阻止できるようなことを思いついたのだ。
彼らが農場に上りついたとき、彼はトールにこわばった笑いを向けた。
「君はなかなか強いな、、、」とかれは努力して冷静を保って言った。「けれどもわしはちょっと君の力を試そうと思うのだよ。君がわしの大きな鍋を持って帰れるかどうかを試すために」
 彼らが家に入るとティールの優しいお母さんは手を振り絞って大きな鯨の釣果を褒め称えた。ヒーメルは急いで家の奥へ入っていった。
 「さあ、これだ!」と彼は戻ってきてトールに言った。「わしの水晶の酒杯を壊せるのだったら君は鍋を持ち帰っても良い」と彼は言った。
 トールは酒杯を調べ、それから力いっぱい石の柱に投げつけた。柱は粉々になったがトールが身をかがめて酒杯を探すとそれはまったく壊れていなかった。ティールのお母さんはトールが石のかけらを拾うのを手伝いながら助言を囁いた。
「彼の額を試してごらんなさい。あれは石より硬いから」と彼女は聞こえないくらいの声で言った。
トールは酒杯をしっかりつかむと立ち上がって後ろを振り向きヒーメルの額に酒杯を投げつけた。
 酒杯は二つに割れ、やぶにらみの嵐の目にびっくりした表情を浮かべて、よろよろと後ずさった。トールは彼のその嵐の目にまだ力が戻っていないことを喜んだ。
「あああああああああ!」ヒーメルはわめいた。「鍋を持って消えてくれ!お前なんかもうここにいてほしくない!」
 トールとティールはその大きな鍋のところへ急いだ。ティールはそれを少しも動かすことができなかったので、トールは自分でそれを持ち上げた。彼をそれを持ち上げることに成功し、頭の上に乗せた。そしてゆっくりと家に向かった。ティールは彼の横を歩いた。
 彼らが少し歩み進んだときに、ティールは彼らが後をつけられているといった。トールはううっとうめいて鍋を放り投げ、彼らの後ろの道をにらんだ。
「こんどはなんだっていうんだ?!」
 何人かの巨人が道の遠くのほうに見え隠れした。トールは腰のベルトからハンマーを取り出し大きな叫び声とともにそれを投げつけた。巨人たちは互いに倒れ掛かり道に伏してしまった。
そうさ、お前さんたちが想像するように、海の神エーギルはこの冒険以来すべての神々に蜂蜜酒を振舞えるほど大きな鍋をもつことになったのさ。そしてこれ以降、彼は毎年神々を宴会に招かねばならなくなったのさ。

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