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2010年7月11日 (日)

北欧神話(21) 第三章<トールが巨人ヒーメルを訪れ魚釣りをする>(5)

第三章<トールが巨人ヒーメルを訪れ魚釣りをする>(5)

翌朝、朝食をとってから、トールは巨人の家畜牧場に出て行き、一番大きい雄牛を捕まえて屠った。そして雄牛の頭を腕の下に抱えて舟のところへ降りていった。
「餌」と彼は言い、ヒーメルに向かって微笑んで船に乗り込んだ。
ヒーメルは不機嫌にぶつぶつ言った。このやせっぽっちの若者はまたさらに一頭彼の雄牛をなくしてしまったのだ!
 トールはそんなヒーメルには無関心に舟に座り、力を込めて漕ぎ出した。ヒーメルの舟のへさきの方に座って彼も漕いだ。
 海の中にちょっと漕ぎ出したときにヒーメルはトールに止まれ、と叫んだ。
「ここはヒラメの良い場所なんだ」と彼は言い、漕ぐのをやめた。
「おや、そう?」とトールは言い、不屈に漕ぎ続けた。
ヒーメルは静かに座って漕ぎ続けるトールの首をじっと見つめた。
「わしは一番良い釣り場所を知っている」と彼はがんがん響く声で言った。「そして、そこはミッドゴードの蛇のいる危険な水域ではないのだ!」
 トールは聞こえなかったかのように漕ぎ続けた。
 彼がようやく漕ぎやめたときには、ヒーメルは二頭の鯨を次々に釣り上げていたので気分が和らいでいた。彼は獲物を調べてとても満足した。
トールは雄牛の頭を釣り針にかけ、底に沈めた。ほとんどすぐ引きがあった。舟は強く引っ張られ始め、トールは彼の足がとうとう舟底を破るまで引き戻しを続けた。
 水面からぎらぎら光るうろこに満ちた大きな頭が現れた。あの忌むべきミッドゴードの蛇が釣り針にかかったのだった!
トールはほんの少し蛇の頭を引き上げることに成功し、ハンマーでそれを打った。
奈落の叫びが空気を満たした。
ヒーメルは恐怖に打ち震えて、痛みに苦しんでのた打ち回り、舟の水を縁からはね散らかす蛇を見つめた。
「なにをするんだ!」と彼は叫んだ。「世界の怪物の中の一番の怪物を引き上げるなんてできっこない!離せ!鯨を分けてやるから!」
ヒーメルは揺れる舟の前の方に飛び込み、すばやくトールの釣竿の綱を切った。
ミッドゴードの蛇は彼らの目の前でゆっくりと深みへ沈んでいった。いくつかの大きな水面の気泡がトール釣り針に今まで何があったかを証明するだけだった。
トールは切られた綱の端をがっかりしながら見つめた。
「お前は命と舟の両方を危険にかけたんだぞ!」と巨人は叫んだ。「岸に着いたら釣り旅の礼にお前は鯨を家まで運ぶか、舟を陸に引き上げるかにかどちらかしろ!」
彼らが陸に着いたときにはトールはいっぱい漕いだ後で大変のどが渇いていた。彼は舟に水を満たし、必要なだけ飲み干した。それから彼は舟と鯨の両方を農場まで運んだ。

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