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2010年7月11日 (日)

北欧神話(17) 第三章<トールが巨人ヒーメルを訪れ魚釣りをする>(1)

第三章<トールが巨人ヒーメルを訪れ魚釣りをする>(1)

トールも巨人達もお互いの力のほどがわかって、納得してもいいころだと思うだろう?でもそうはならなかったのさ。ユートゴードからの帰り道でずっと、トールは自分の考えにふけってぶつぶつ言っていた。ミッドゴードの長い蛇だとわからずに巨人猫を抱きしめたなんて。もし蛇だとわかっていたら、あっという間に首をひねってやったのに。本当に惜しいことをした。そのとぐろを巻く惨めなやつを殺す良いチャンスを逸したなんて。彼はオーデンに、ローケの子どもだったその蛇がどんなに大きくなっていたかを語りに急がねばならなかった。
ああ、そうなのさ。ローケは何人かの奇妙な子どもを得たのだ。そのうちの一人がミッドゴードの蛇だったのだ。アースゴードでは、ローケがアンゲルボーダという名の気味悪い巨人の女との間に3人の子をもうけたことはよく知られていた。神々にとっては、美しいローケがそんな不快な生き物と何かしたがったなどと考えるのはまったく理解に苦しむことだった。けれども彼のルーツがそうさせたのかもしれないと彼らは納得しようとした。ローケは、シグユンの女神と結婚していたのだが、巨人の女のところへ足しげく訪れていたのだった。アースゴードの神々のすべてはそれをよく知っていた。
ローケとアンゲルボーダの子どもたちがヴァルハラにやってきたとき、オーデンは、彼らにとってよくないことが起こるだろうとすぐにわかった。彼の前には、最も硬い皮膚の者も脅かすような打撃を与えられる一団が立っている。そのうちの一人は女の子だった。ローケが彼女をヘールだと紹介したときに、彼女の目は冷たく黒い石のように光った。彼女の皮膚を見るだけでオーデンは気分が悪くなった。彼女の半分桃色の肉、半分青みがかった腐った皮膚を嫌悪を持って観察した。
ローケがフェンリスだと紹介した中の息子は外見はそれほど気味悪くはなかったが、彼は子どもではなく、怒りのこもった引っ込んだ目をした目をした、もごもごとうなり続ける狼の子だった。
一番小さい子もまた神の子ではなく、目をきょろきょろさせてばかりいた。それは黄色い目をした蛇の子で、部屋の中にとぐろを巻きながら入ってきたときに彼の裂けた舌は不安そうにひらひらした。
オーデンはローケに苦々しく目をやって、気取り無くすぐに決定できた。
ヘールは地下の死の国は行き永遠にそこですごさねばならない。彼女の視線は彼に彼女がどこに属すかを示したのだ。
「そしてフェンリスは」とオーデンは続けた。「遠くの地域につないでおかねばならない。彼が何か悪しきことをしないように」
ローケは何の表情も見せずに黙っていた。
女神の一人が部屋に座ってオーデンの厳しい判定を聞いていた。彼女はローケをかわいそうに思い、恐る恐る問いを発した。

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