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2010年7月11日 (日)

北欧神話(14) 第二章<トールが自分の力を魔術に優れる偉大な巨人ユートゴーダローケに試す>(9)

第二章<トールが自分の力を魔術に優れる偉大な巨人ユートゴーダローケに試す>(9)

自分が速く走れるのを知っていたチャルヴェは、トールがどう答えるかと思いながらトールを見上げた。トールはやってみろ、というように頷いた。ユートゴーダローケは、部屋の端の方で、顔いっぱいにあざけり笑いを浮かべて立ちあがったヒューゲという名の巨人の子どもを呼んだ。チャルヴェはトールにほめてもらいたくてたまらなかったので、競争するために急いだ。
スタートの合図がなされたが、チャルヴェが部屋の半ばまで行く間に、ヒューゲはもう部屋の端まで行って戻ってくるところだった。
それから2回失敗してから、チャルヴェは顔を赤くして汗を掻きながら自分の席に戻った。トールは彼に向かってウィンクをして、別に怒らずに肩をすくめた。
ユートゴーダローケはトールに向き直り、柔らかな口調で、多分彼自身何か好きなスポーツがあるのではないかと尋ねた。
トールは少しの間考えた。
「レスリングが好きだけどね」と彼は考えながら言った。
「それに私は重いものを持ち上げたりするのも得意だ。一気飲みなどもできる」
ユートゴーダローケはその答えが気に入ったようだった。彼はすぐに手をたたいてすべての客人の前に濁り酒の入った角の器を置くようにと命じた。
トールは彼の手の中に角の器がたちまち置かれたのにびっくりした。ユートゴードローケ自身が多分彼と同じくらい酒を飲むのが好きなのではないかと思えた。
トールは満足して自分の器を調べた。それは彼自身のものと似ていたが、もっと背が高く下の方がつぼまっていた。
ユートゴーダローケの合図で、客人たち全員が大きな音を立てながら酒を飲み干した。
トール以外のものは皆。
トールは困惑して自分の器を見つめた。彼が思いっきり飲んだのに、濁り酒の量はほとんど減っていなかった。
「多分、次は飲み干せるのではないかな」とユートゴーダローケは慰めるように言った。
トールは器を口に持っていき、息が切れるほどに飲んだ。けれどもそれにもかかわらず彼が中を覗き込むと器の中の濁り酒はほとんど減っていなかった。
ユートゴーダローケはトールにウィンクした。「ああ、三回目のために飲み残したんだね」
トールは最後の努力をしたが、それで諦めた。この器を彼は干すことはできなかったのだった。
まさに完全にうまくいかない日だ、今日は!トールは部屋の中の巨人たちが大量の酒を飲んだ後で、おくびをしたり休んだりしたりしている間、苦々しく考え込んだ。
ユートゴーダローケはしばらくしてから機転を利かせて、トールに、もし力があるのならその力を見せて、名誉挽回したいのではないか、ときいた。

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