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2010年7月11日 (日)

北欧神話(11) 第二章<トールが自分の力を魔術に優れる偉大な巨人ユートゴーダローケに試す>(6)

第二章<トールが自分の力を魔術に優れる偉大な巨人ユートゴーダローケに試す>(6)

巨人は彼らの弁当を横目で見た。
「あんたたちの小さな袋の中には大して入ってないね」と彼はもごもご言った。
「わしのをとっていいよ」
トールは彼の明るい赤い色のひげをこすって巨人の皮袋の中の中身をすばやく覗き込み、その申し出を受けた。
彼らが食べ終わると、巨人は無意識のうちにトールのお弁当を彼自身の袋の中に入れ、袋を肩にかけた。
「わしがあんたたちにユートゴードまでの道案内をしてやろう」と彼は言い、ヨートゥンヘイムの平地を歩き始めた。
トールとその仲間たちは巨人の大股歩きについていくために大きな努力を払わなくてはならなかった。彼らは夕方が来るまでにとても疲れてしまった。
「なにか食べるものをとってもいいよ」と巨人は言った。「わしはこのまま寝てしまうから」
巨人は横になるとすぐ寝入ってしまい、彼の開いた口からは前の晩と同じように恐ろしいいびきが聞こえ始めた。
トールは早歩きの一日のあとで空腹だったので、大風と騒音は気にしなかった。彼は巨人の袋を持ち上げ、紐を解こうとした。けれどもどんなにがんばっても結び目を解くことができなかった。汗が彼の額からぽたぽた落ちて、彼のおなかはもっとぐうぐういった。結び目が彼の前進の邪魔をするのはそれが初めてだった。
「なんてこった、、!」と彼は顔を真っ赤にして激しく息を吐いた。彼は炎の燃えるような目で寝ている巨人をにらみ、巨人の頭をハンマーで殴った。
巨人は眠ったままで微笑んだ。
「その葉っぱをどけておくれ」と彼はもごもご言ってそのままいびきを掻き続けた。
トールはびっくりして目を見張った。それから彼は怒りに溢れた額にしわを寄せた。いつものようにことが進まないのだ。
ローケとチャルヴェとレスクワの視線は不安げに寝ている巨人と怒り狂っているトールの間を行き来した。チャルヴェは彼の主人が新たな一撃を加えようとする前に、彼のところへ駆け寄った。
「暗くなりすぎる前に野営の場所を見つけるべきではないでしょうか」と彼は注意深く提案した。
トールはもごもごと賛成し、チャルヴェと一緒に、巨人が寝ているところからは少しはなれたところに立っている大きなカシワの木に向かった。
チャルヴェとレスクワは自分たちの担ぎ袋を置き、焚き火で暖を取れるように薪集めに出かけた。

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