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2010年7月10日 (土)

バイキングの娘(1) 「バイキングの娘」

「ヴァイキングの娘」

 いつの頃からか北欧に住んでいるからにはヴァイキングのことをもっと知りたいと思うようになった。日本人が時代劇や時代小説を通して当たり前のように侍や公家などの昔の人々になじんでいるように、北欧の人たちは自然にヴァイキング的な考え方になじんでいて、それが今日の彼等の考え方にも反映しているのではないかと感じるようになったからだ。
 チャンスをみつけては各地のヴァイキング遺跡を回ったり、博物館に行く。博物館ではヴァイキング関連グッズを販売しているので、行くたび少しずつ買ってくる生活用具、装身具、書籍が私の部屋に溜まっていく。一番のお気に入りは歴史博物館で買ったヴァイキング時代の娘の指輪のレプリカでほとんど毎日のように職場にもはめていく。
 けれどもずっとなんとなくよくわからないなぁ、と思っていた。私が一番知りたいのはヴァイキングの男達がどんな経路をとって略奪、あるいは商業の旅に出かけたか、どんな船に乗っていたか、というようなことではなく、女達、娘達が毎日どんなことを考えて生きていたかということなのだ。ヴァイキングの女達は北欧の現代の女性のように強かったのだろうか、どんなものを食べ、どんな夢を抱き、どんな男に惹かれたのだろうか。
 いろいろな本を読み齧った結果、ヴァイキング時代には王、騎士(貴族)、農民、奴隷がいたことを知った。博物館には遺跡から発掘された王族あるいは貴族の娘の骨が展示されている。綺麗な玉が小さな胸の脇に散らばり、彼女が送っただろう裕福な生活を偲ばせる。また手を縛られて生贄として埋められた「木苺の女の子」の骨も見た。彼女は死ぬ前におなかいっぱい木苺を食べたらしくその種が一緒にあったのでそう命名されているのだそうだ。多分奴隷の女の子だったろう。
 けれどももっと切実に知りたい庶民(農民)の娘達の墓は残っていない。イメージをどこから得ればよいか途方にくれていたのだが、最近ようやくアイスランド古詩の自由奔放な古代の女神達に彼女達のイメージに重なるものを発見した。アイスランド古詩はヴァイキング時代が終わってからまとめられたものなのでキリスト教の影響が色濃く出ているが、詩で歌われるアーサとよばれる古代の神々は今でも北欧の人々に非常になじみが深く、たとえば神々の名前を子どもにつける人も多い。アーサの神々はまるで古事記の神々のように、それぞれ個性的で人間的だ。たとえば力の神トールの妻である女神シフは金髪の美しさを誇っている。あどけない女神イードゥンは神々の永遠の若さを保つ魔法の林檎を育てている。ヴァイキングはアーサの神々を信じていた。口承文学であったアーサの神々の伝説には彼等の身近な女たちの性格や生活が反映されていただろうと考えるのは無謀だろうか?
 ようやくたどり着いたヴァイキングの娘への端緒をさらにたどるべく、私は今日も古い詩を少しずつ楽しみながら読み進んでいる。 

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